君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第19章 19
「十くん、ちゃん後ろから抱き締めてもらって。うん、良いね!熱烈!雅と徹の仲睦まじさ出そう!」
「徹さん」
「ん?」
「大好き」
「俺も雅が大好き。…いや、愛してる」
「もう、、」
「いいね!!!」
くすくす笑いながら思いを伝えあう二人に、監督はグッジョブマークである。
「あとは二人並んで手繋いでもらおっかな。お、いう前に指絡めちゃってー。分かってるねぇ、二人とも」
それから何枚も写真を撮り、今度こそすべての撮影が終わった。
「ありがとうございました!」
「いやぁ、お疲れ様!良いドラマに仕上がるよー、これ!また東京で、完成試写会で会おうね!」
目指せ劇場版!と笑い、二人に着替えを促す。
「お疲れ様でした!」
「お疲れ様でしたー!」
挨拶をスタッフたちと丁寧にかわし、二人は着替えに当てられた建物に入る。
「では、着替えて来ます!」
はそう告げながら控室に入っていく。ドレスを着るのも脱ぐのも多少時間がかかるのか、先に龍之介が出てきた。
「十くん、お疲れ様」
「大神さん、お疲れ様です」
「うちの子がお世話になったね。色々と」
「…こちらこそ、本当にお世話になりました。あの大神さん、俺…」
「龍。言いたいことは私も大神君もわかってるから。一旦置いといて、戻ってから話し合いましょ」
「え?えっと…はい」
姉鷺の言葉に龍之介は頷いた後、こくりと頷く。
それからまた少し待てば、控室からがひょこりと顔を出した。
しばらく衣装か楽そうなジャージなどの恰好しか見ていなかったからか、私服姿のは大層可愛らしい。
「終わりました!」
「お疲れ様。新幹線まではまだ少しあるけど、駅まで時間もかかるし、移動しようか」
「はい!」
「急ぎできたから、大神君に甘えてレンタカー借りといたの。それ乗っていくわよ」
つまりは一緒に行動である。
そもそも帰りは一緒に帰ろうと思っていたのだから、問題はない。
むしろ歓迎、好都合である。
姉鷺と万理に二人で頷き、一同車に乗り込み駅へとむかうのであった。