君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第175章 175
「そうなんだ。張り切ってやりそうだけど」
「披露宴というか、宴会はよぉーくやってたよ」
呟きながら小さく息をつけば、龍之介がの頭を撫でる。
「悩むよね」
「うん」
「ん?何が?」
「結婚の挨拶。うちの実家は年明けに行くことにしたんだけど…」
「京都の方どうしようかなって…電話で良いかな」
流石にダメだろ。と言いたいところだが、の実家には正直近付かせたくないのもまた事実。
当事者のと龍之介のみならず、天と楽もうーん、と唸る。
「すぐに結婚するわけじゃないし、万が一、何かあって実家に足を運びやすくなるかもしれないし、今は取り敢えず保留で良いんじゃない?」
「確かに…事務所の許可が出てから悩むことにする」
「そうしよう、丁度前菜きたしね」
「わーい」
その後も楽しい会話を交わし、美味しい料理に舌鼓を打ち、一同揃ってご馳走様である。
「ご馳走様でした」
「美味しかった。うん、料理もいい感じ…」
食べながらこっそりスタッフの動きなども見ていたである。
「じゃあ、衣装スタッフと衣装数のチェックもしに行こうか」
「そう言われると行きたくなるじゃん」
龍之介の言葉にそちらを見上げ呟けば、はにぱりと微笑む。
「試してみますか、ドレス」
のその言葉に俄かに沸き立つTRIGGERの三人。
衣装ではその姿を見たことはあるが、プライベートでドレスに身を包んだ彼女がどれだけのものか興味がある。
スタッフにまだ試着は可能かと聞けば、嬉々とした様子で案内を申し出られた。
「本人より皆の方が乗り気」
「そりゃあ、世界一可愛い子のドレス姿なら見たいよ」
「龍くん何回も見てるじゃんー」
「最初は徹で、次は他の誰かの為でしょ?俺の為にドレス着たを見たい」
確かに、初めてドレスを着たのはドラマの役で、龍之介演じる徹の為、次に着たのはTRIGGERのMVの時で、エスコート役は龍之介だったが、龍之介の為に着たものでは無かった。
出来うるならば、本当に結婚が決まった時に着たいという気持ちもあるが、龍之介の望みをは拒否しない。
「そっか、じゃあ張り切る!」
恋と仕事には常に前向き。それがのいい所。
スタッフの案内の元、ドレスの試着へと向かうのであった。