君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第174章 174
「普通の高校生がどんなもんかわかんないけど…充分幸せだよ?龍くんという超カッコイイ彼氏とデートしてるし、好きな仕事してるし、むしろ普通の高校生って奴より充実してる毎日送ってると思うけど」
くすくす笑いながらは龍之介を見上げる。
「そんなの気にしてたの?」
「が今吹っ飛ばしてくれたけどね。ちょっとだけ」
「もぉ。この顔見たらわかるでしょ?私が幸せなの」
自らの両頬を指さし、は微笑む。
「幸せそう?」
「うん。すごく」
「でしょ?幸せだよ、とーーーっても」
後ろから抱き締めた腕の中で体を反転させ、龍之介に抱き着く。
「愛してる、龍くん」
「うん、俺も…愛してる…っ」
「また泣いてるーもー。大好きっ」
元々涙腺が弱いのは自覚していたし、の前でぐらいはカッコつけたくて我慢したいのは山々だが、への思いが強すぎてうっかり緩んでしまう事も多々ある。
そんな弱い自分も丸ごと包み込んで愛してくれるが、愛しくて大切で誇らしい。
「落ち着くまで、ずっとこうしてようね」
「ん……ありがとう、」
「どう致しまして、龍くん」
きゅう、と抱き合っていれば、龍之介がの頬を撫でる。
それにつられるように見上げれば、引き込まれそうな金色の瞳。
「綺麗…」
「それは」
そんな呟きとともに、瞳に映る自分が近くなる。
顎をそっと掬われ、唇が重なった。
「落ち着いた?」
「かなり」
「そろそろご飯食べ行こっか。夜いっぱい食べるから、控えめにだね」
「あ、そうだったね。二人とも海鮮食べたくなってたけど…カフェあるし、そっちにしようか」
「賛成!」
微笑むの頭に口付け、手を繋ぐ。
周りの視線は気になるが、ちらっと見た限りでは写真などはとられていないようである。
水族館内に併設されているカフェは、海の生き物をモチーフとしたドリンクやフードが用意されており、メニューを見るの瞳がみるみるうちに輝き出す。
「可愛い…え。どうしよう?!何しよう?!ペンギン!イルカ!チンアナゴ!」
「可愛いなぁ…」
可愛いメニューにはしゃぐ可愛いに幸せそうに微笑む龍之介。
何ともほんわかしている空間が出来上がっていた。