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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第19章 19




「ッカーーット!!OK!!」
「十龍之介さん!さん!オールアップです!お疲れ様でしたー!!」

監督のカットの後のスタッフの言葉に、ワッと歓声が上がり、割れんばかりの拍手が起きた。
どうやら、見学の一般客も拍手してくれているようだ。

「十さん…」
「ちゃん、お疲れさま!初の大役、頑張ったね!俺の事支えてくれてありがとう!」
「十さんも、いつも私を引っ張っていってくれてありがとうございました!十さんの初主演のお力添えが出来て、幸せでした!」

を見て微笑む龍之介に、涙ぐみながら感謝の言葉を伝え頭を下げる。
そんなに慌てて頭を上げさせれば、龍之介はそっとを抱きしめた。
ざわめくギャラリー、慌てるマネージャー、一瞬ほうけるスタッフ、様々な反応が上がるが、龍之介はを離さない上に、もまた龍之介の腰に腕を回した。
ギャラリーのざわめきは最高潮である。

「やっと言える…、俺は君を愛してる」
「龍之介さん…私も、愛してます。貴方が好きです」

二人だけに聞こえる程度の声。
それが耳に届けば、は顔を見上げ龍之介を見上げる。

「…ぁ、お仕事まだ終わってませんでした」
「写真撮影あったね」
「…やり直しですか?」
「うーん…じゃあ、東京に戻ったら、じっくりと」
「はい、そうしましょう」

微笑みあい、二人は離れた後両手でハイタッチ。

「ちゃん、お疲れ様!」
「十さんも!お疲れ様でした!!」

笑顔の主役二人のハイタッチに、慌ただしくなっていた周りの者たちはきょとんとした後、なんだぁ、と安堵の息をつく。
いうなれば、達成感からくる仲間同士のハグだと思われたようで、万理と姉鷺は一安心である。

「ったく、演技上手いわね。うちにくれない?ちゃん」
「あげません。しかし本当に…本当にどうしたらいいんでしょうあの二人」

万理の呟きに、姉鷺は龍之介とを見る。

「付き合わせておいて、破局を狙うのもアリかもしれないわよ」
「リスキーじゃないですか?それは……」

姉鷺の突然のその言葉に、万理は思わず苦笑である。

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