君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第168章 168
悠の言葉にと環は顔を見合わせてから悠に視線を戻す。
「「付き合ってない」」
「ぴったりじゃん!付き合っちまえば?」
「…ねぇ、亥清悠」
「な、んだよ」
「誰の差し金?」
にこりと微笑み、は立ち上がって悠の席の前に立ち、腕を組んで片手を顎に当てる。
「は…?」
「あれだけTRIGGER嫌いな君が、私が誰と付き合ってるか、知らないわけないよね」
「な、九条天みたいな言い方すんな!」
「わざとだよ。言っておくけど…」
呟きながらは身を屈め、悠に顔を寄せる。
人形のように整った愛らしい顔が近づき、悠は目を見開き固まってしまう。
「私は誰にも揺らがない。って、その愚か者に伝えといて?」
「っな!誰にも言われてねぇよ!バーーカ!」
「口悪いなぁ…」
顔を離し、くすくす笑いながらは席に戻る。
「大丈夫ですか?」
「うん。ある意味、今日の収録楽しみになってきたよ」
「…本当に、あなた十さんとのことになると、強いですよね」
「恋する乙女ですから」
そう言ってにこりと微笑むは太陽みたいに眩しい。
そんなに支えられている龍之介が素直にうらやましいと、環は思った。
「いすみん」
「なんだよ」
「なんで、もっと早く、付き合っちまえば?って言ってくんなかったんだよ」
「はぁ?」
ため息混じりに呟かれ、わっけわかんねぇ!と頭を抱える悠である。
「…リアルmiss youですね、四葉さん」
「どゆこと?」
「…貴女本当に気付いてないんですか?」
「……その方がいいでしょ」
一織の言葉に苦笑し、は呟く。
「環は、関係の変化に敏感だから。今はこのままの方が良いの」
「ある意味、残酷ですよ」
「…うん、分かってる」
それでも、答えられるものでは無いのだ。
ごめん。
そう思いながらも、は今の関係を変える気は無いと、一織に伝える。
「どした?二人とも」
「なんでもなーいよ。ほら、授業の準備しよ!」
にこりと微笑み準備を促すに、一織もまた、そうですね、と先程のの言葉への同意を含めた返事をするのであった。