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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第165章 165




が大好きで堪らない環が、この話を聞いて平常心でいられるのかとつい思ってしまったのだ。
が龍之介と結婚して、みんなでなくたった一人のものになってしまう。
己から離れてしまう。
その事実は、今の環にとっては辛い話なのかもしれない。

「も実家大変だよなって話」
「あー、っちんとこな。ねーちゃんもかーちゃんも微妙なんだろ?」
「そ。ちなみにとーちゃんも微妙だよ」
「こーんないい奴が家族なのにな」

呟きながらの頭を撫でる環にくすくす笑い、はうんうんと頷く。

「向こうにとって、私は宝の持ち腐れだったのね、きっと」

のその言葉に、みなきっとそうだな、と笑い、先程までの緊迫した空気が緩んだ。

「さて、お腹空いちゃったね。なんか頼もうか」
「俺ピザー」
「蕎麦にしようぜ蕎麦」
「八乙女そっくりの店員がいるとこ頼もうぜ。あれホントにお前じゃねぇの?」
「違うって言ってんだろ」
「絶対楽だと思ったのになー。匂いもさ、ほら一緒だもん」

呟きながら楽に近づきクンクンと香りを嗅ぐ。
途端、楽はバッとかがれた首付近を押さえ、は後ろから引っ張られそのまま抱き締められた。

「わぁ?!」
「全く…楽に懐いてるのは分かるけど…」

を引っ張ったのは龍之介。
ため息交じりにを抱きしめれば、片手での両頬を軽く挟む。

「ぷきゅ」
「…可愛いから今は許すけど」

今夜は覚悟しておいてね。
そんな龍之介の言葉には真っ赤。
周りのメンバーたちも真っ赤。
時折プライベートでもにじみ出る龍之介の色気は、破壊力が抜群である。

「さ、さーて!!ピザ頼むかピザ!」
「そうだな!四葉、何食う?」
「俺、肉ましましのヤツ!」

このピンクどころか真っピンクになりつつある雰囲気を打ち消そうと、タブレットを取り出しメニューを開く一同。
そんな中で、殺されなくて良かった…と心底ほっとする楽であった。

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