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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第159章 159




翌日、は万理と共にとあるホテルへとやって来た。

「、大丈夫?」
「大丈夫です。どのシーンも一発OK出してササッと帰ります」

モチベーションが別の方向を向いてしまっているが、やる気になるのは良い事としておこう。
今回は相手役がZOOLの御堂虎於なだけあり、撮影地は御堂グループの経営するホテルである。

「さん、おはようございます。本日はよろしくお願いいたします」
「おはようございます。ご期待に沿えるよう頑張りますので、よろしくお願いします」

プロデューサーが出迎え、控室の場所を伝えてもらう。
どうやら、一部屋貸し出してもらえるようだ。

「今日は帰り十くんが迎えに来るんだよね」
「はい。ちょっと凹むかなーって思ったので」

苦笑しながら控室に入れば、数人のスタッフが準備を進めてくれていた。

「おはようございます。よろしくお願いします」
「おはようございます!早速、準備の方お願いできますか?」
「はい!」

にこりと微笑み、衣装に着替えようと動き出せば部屋のチャイムが鳴る。
万理が対応のために扉を開け、そこにいた人物に目を見開いた。

「さん…」
「?何で万理さんそんな改まっ…え、お、お母様…?」
「娘がいつもお世話になっております」

深々と一礼し、顔を上げたのはの母である旅館の女将だった。

「なんで…」
「ちゃん、申し訳ないけど先着替えお願いしていい?」
「あ、はい!」
「あ、女将もどうぞ。ちょっと今準備で慌ただしいですけど…奥のソファにでも」
「突然申し訳ありません。失礼いたします」

万理が招き入れれば、女将は案内されたソファへそっと腰掛ける。

「ちゃんのお母さん?てことは、旅館の女将さんかぁ」
「はい。突然でビックリしましたけど…」

もぞもぞと着替えながらは苦笑する。
の番号は知っているはずなのだから、来るなら前もって連絡くらいはして欲しいものだが、それにしてもなぜの居所が分かったのだろうか。
万理の驚いた様子から、事務所側は一切女将の来訪を知らされてはいなかったようだ。
となれば、情報の出所は一つしかない。

「…御堂さんか」

小さく息をつき、ストッキングをはく。

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