君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第158章 158
「なんなんだろう?」
「…うーん、世界一幸せな二人」
「それだ。そういえば、もう眠くない?大丈夫?」
龍之介の言葉に、皆で時計を見る。
そろそろ寝てもいい時間になっている。
「ううん、寝ようとしたら寝ちゃう」
「ん、じゃあ…ベッド行こうか」
「うんっ」
にこりと微笑み、頷くをそのまま赤ちゃんのように抱き上げ、龍之介は天と楽を見る。
「二人とも、俺たち先に寝るね。おやすみ」
「おやすみ、天、楽」
「おやすみ」
「うん、おやすみ。龍、」
龍之介に抱き上げられたまま軽く手を振りつつ去って行くは、また眠気がやって来たのかとろんとした目で去って行く。
そんな二人を寝室の扉が閉まるまで見送って、天と楽は何度目かの顔を見合わせた。
「世界一幸せな二人は間違ってねぇんだけど…違うよな」
「あれは…世にいうバカップルだよね」
「だよな」
俺だけが思ってるんじゃなくて良かったぜ、と軽く胸をなでおろす楽である。
「俺らも寝るか」
「そうだね。明日は洗濯とか食事とか、当番決めたいよね。今龍とに任せっきりだから」
元々手が空いた方が家事を行うという生活をしていたが為に、も龍之介もテキパキと家事をこなしてしまう。
手伝いくらいはしているが、余りにも任せきりなために、きちんと当番制を導入しようと提案しようと思っているのだ。
「そうだな。俺も一人暮らしでなんもできない訳じゃねぇし…いいかもな」
頷く楽に、天もまた明日話そう、と小さく欠伸をする。
「だな、寝るか」
「そうだね。じゃあ、おやすみ」
「おう、ゆっくり寝ろよ」
天もまた見送り、楽も続いて寝室に入る。
今宵も静かに月が見守る中、四人はそっと眠りについたのであった。