君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第157章 157
ライブの内容までは聞いていないが、TRIGGERがどんな気持ちでライブに挑むかは分かっている。
「私もライブ行けたら良いけど…さすがにライブハウスは危険だからダメって言われちゃった」
「人が密集しやすいからね」
「が押し潰されたら折れそうだよな」
「怖い…。出待ちもしやすいから、楽屋に一緒に行くこともできないし…うぅ…TRIGGERのライブ見たいよぉ…」
スタジオでのスタッフとの接触事故から、事務所も気を張っている。
こっそりがライブを見に行かないよう、ライブの開催時間を知っている万理がガッツリ撮影の仕事を入れ込むほどである。
「行くなって言われたら行かない、と思うのにぃ」
「はTRIGGERのことになると見境ないって思われてない?」
「行かない意思が薄弱すぎるもんな」
「俺も、危ないのは分かってるから来ちゃダメなのはわかるけど…の来たいって気持ちもわかるから。難しい所だよね。事務所の方でも、悩んでると思うよ」
天と楽の言葉が的確過ぎて苦笑しながらも、龍之介はぽふりとの頭を撫でながら頷く。
が自分たちをいかに愛しているかはよく知っている。
自分たちもを大切に、愛しく思っているからこそ、見て欲しいけれど来てほしくはない。
「うん。みんなの気持ちが分かるから…だからいかないよ。でも…見たいし聞きたいし感じたいし触れたいしっ!」
「ライブハウスでもお触りはダメだよ」
「うぐぅ…いっそ私も出演したい!」
そしたら、一緒に踊れるし歌えるのに…。
でも
「ファンの子が望むのはTRIGGERだからなぁ…それも諦めるしかないか」
「…」
「ホント良い子なんだから」
「そんなが、俺たち大好きだよ」
「えへへ、ありがと!」
が望んでいるのだから、ファンの子たちだって強く望んでいるに違いない。
ライブは限られた時間。
ならば、その時間全てをTRIGGERでいっぱいにしたい。
そんな三人の気持ちが分かるからこそ、は今回我慢できるのだ。
「万理さんがライブビデオ撮ってくれるって言ってたし、それ楽しみにしてる!」
よし、買い物再開しよっ!
そんなの笑みに微笑みを返し、揃って買い物を再開するのであった。