君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第154章 154
「ふふ、真似しちゃうくらい可愛かったんだよ?」
「だから、可愛いはいいの」
「ほらほら、拭いたらすぐ移動よ!ファンの子たちもだいぶ捌けたから、行くわよ。、あんたも送ってくから」
「ありがとうございます、姉鷺さん」
辺りの隙を伺いながら、全員で車に戻る。
「さっむ…」
「薄着過ぎるのよあんた。ほら、被ってなさい」
「すみません、ありがとうございます」
ブランケットを手渡され、膝にかける。
隣に座った龍之介に肩を抱かれ、引き寄せられれば、それだけで暖かくなる。
「暖かい」
「良かった…帰ったらお風呂入ろうね」
「うん!」
天と楽の羨まし気な視線を受けながら、車はマンションへとたどり着く。
「ありがとうございました」
「二人とも、しっかり暖まって休むのよ」
「はい。じゃあ、天、楽、またね!」
「姉鷺さんもお疲れ様です」
微笑みながら車のドアを閉めて見送る。
「ご飯にしよっか」
「そうだね。は荷造りも?」
「そっか、そろそろ始めないとね」
頷くに微笑み、龍之介はそっと肩を抱き寄せる。
「もう少し後でも良いかな」
「そう?」
「うん、今日は…温めないと」
龍之介のその言葉に、は嬉しそうに微笑み抱き着く。
「ぽかぽかにしてね」
「ぽかぽかで収まるかなぁ」
「へ?」
首を傾げるの視線の先には、色気を含んだ龍之介の視線。
「最近、俺だけじゃなくて天と楽にもすりすりしてるからさ?」
「…もしかしてすっごく妬いてた?」
「すっっっごく妬いてた」
力こもり過ぎだよぅ。
そんな龍之介にくすくす笑いながら、は軽く背伸びをする。
「じゃあ、その気持ち今日全部受け止めるから、いっっっぱい愛して」
「…よし、部屋戻ろう」
「だね。まずお風呂っ」
肩を寄せ合い、部屋へ向かう二人は、とても、とても幸せなオーラに包まれているのであった。