君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第147章 147
何かが起きる影はあった。
けれど、そんなこと気にならないくらい、俺たちは幸せだ。
「龍之介!お疲れ様!」
「百さん、お疲れ様です!久しぶりに体動かして良い気分です」
とあるフットサル場。
久しぶりにやろうよ!と百に誘われ、龍之介はフットサルに参加していた。
「今日ちゃんは?」
「今日は昼まで仕事って言ってたんで、もう帰ってると思いますけど…あ、でも寮の方行くって言ってました。三月くん聞いてる?」
「聞いてます!環が朝からそわっそわしてるんで、が来る日はすぐわかるんですよ」
三月の言葉にくすくす笑い、龍之介はそうなんだ、と頷く。
「こんにちはー!!お疲れ様でーす!」
そこに響き渡る愛らしい声。
何事かと一同がそちらに視線を向ければ、大きく手を振るの姿。
「!」
「ちゃーん!」
「だ…」
「本物かっわいい」
百の運動部には龍之介や三月の他にも、事務所の枠を超えて様々な者たちが集まっている。
未だと共演していない者も多くはなく、突然現れた若手トップ女優に場は騒然としている。
「え、どうしたの?」
「通りがかったから、万理さんに下ろしてもらったの」
「え?!バンさんいるの?!」
「あ、いえ。三月くんと帰ってらっしゃいって、帰っちゃいました」
の返答に、万理へのあこがれがいまだ半端ない百はそんなぁーと項垂れる。
「俺、十さんに乗せてもらって来たんだけど」
「多分、そこも織り込み済みなんだと思う。万理さん」
流石である。
三月と共にを寮に送り、そのまま一緒にマンションに帰れという事なのだろう。
「百さん、これ良かったら。差し入れです」
「え!ありがとうちゃん!そんな気ぃ使わなくていいのに」
「いつも龍くんともどもお世話になってますから」
にこりと微笑みながら、沢山飲み物が入った袋を手渡す。
「みんなー!!ちゃんから飲み物差し入れだよーん!」
百の掛け声に、メンバーが集まってくる。
「何人いるかわからなくて、いっぱい持ってきすぎちゃったかもしれません」
「いーのいーの!ありがと!」