君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第144章 144
優しい彼はきっと、これまでのトラブルを掻き回すだけ掻き回した上で、全部投げ出して引退してしまった花巻すみれのことにだって責任を感じているはずだ。
だから、は一人こっそりと、だけど固く誓う。
絶対に、彼と彼らを支え続けると。
少しでも、龍之介のこの心の負担を軽くしようと。
「」
「ん?」
「も忙しくて大変な時なのに、ごめんね。ありがとう」
「謝らなくていいの。私が忙しいのは元々」
にこりと微笑むにくすりと笑い、龍之介は再びを抱きしめる。
「姉鷺さんが言ってた。は俺にピッタリだって」
「姉鷺さん公認は嬉しいね」
「本当にそうだなって。俺には勿体ないとも思うけど…。でも、俺の心に寄り添ってくれるの強さは、俺の弱いとこにピッタリはまり込んでくれる」
「私にも勿体ないと思うけど…。ふふ、お互い勿体ないって思う所も、きっとピッタリなんだね」
寄り添い合うための、気持ちの大きさはきっと同じ。
互いの強い部分と、弱い部分の凹凸がぴったりとはまり込むのだろう。
「お似合いなんだよ、私たち」
「そうだね。きっとそうだ。それが、本当に嬉しい」
「私も嬉しい。だから、どんなことがあっても、乗り越えられる、どんな高波も、渦潮も、一緒なら大丈夫」
そう言って微笑むはやはり、世界で何よりも美しくて、綺麗で、可愛い。
この笑顔を絶対に曇らせたりするものかと、龍之介は決意を新たにするのであった。