君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第142章 142
「ちゃん。あんたホントに17歳?」
「一応、そのつもりです!」
「頼りがいありすぎるわよ。全く…ああ、話し込んじゃったわね。早くメイク直してらっしゃい」
「あ、はい!お時間取らせてすみません!失礼します!」
それぞれの出番が近づいている。
は姉鷺にぺこりと一礼し、パタパタと楽屋へと戻っていく。
「あれ、姉鷺さん。そこにいたんですか」
出番の時間が近づいたらしく、扉が開き龍之介が顔を出す。
「そろそろ出番ね」
「はい」
「龍」
「はい…」
「ちゃん、ホント強いわ。あんたにピッタリ」
「え…。…はい、俺、自分は大したことないけど、と、天と楽だけは、どんな人にも誇れます」
「何言ってんだよ。が聞いたら怒るぜ?」
「龍くんは世界一カッコ良いって、世界一可愛い子に言われてる龍の何が大したことないの?」
後ろからポン、と両肩を叩かれ、楽と天が横を通り抜ける。
「そうよ。あんただって、天と楽が、ちゃんが胸を張って誇る男なんだから。捏造スキャンダルになんか負けずにしっかりしなさい」
「…はい!」
「行ってらっしゃい」
姉鷺に送り出され、龍之介は天と楽と共にステージへ向かう。
「頑張りなさい」
そう呟く姉鷺も、誇らしげな瞳で本番のステージへ向かうTRIGGERへ視線を向けるのであった。