君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第141章 141
そんなの言葉に、龍之介は僅かに瞳を潤ませてを抱きしめる。
そっと背に回る細い腕が今日ほど愛しく思ったことは無いかもしれない。
「ごめん、本当にごめん」
「謝らなくていいの。これから大変なのは龍くんなんだよ?私は絶対何があっても龍くんの傍にいるけど。助けられることはきっと少ない。ごめんね…」
呟きながら、は更にきゅ、と抱き着く。
「だけど、どんなことがあってもずっと一緒にいるから、頑張ろうね」
「うん……ありがとう。でも、やっぱりごめん。俺が相談乗りたいなんて言ったから…」
「ふふ、そこが龍くんのいい所なんだよ。困ってる人を放っておけない、そんな優しい所が大好きなの。龍くんが、いっつも私のこといっぱい愛してくれてるの知ってるもん。例えばだけど、龍くんが浮気とか器用なこと出来ないことも知ってるし」
「当たり前だよ。俺にはしか愛せない。にしか、心が動かないって誓える」
「うん。わかってる」
頷けば、龍之介を見上げ口付ける。
「私も、こんなに愛せる人、これから現れる気がしない。龍くんも同じ気持ちだって分かってる。だからこそ、こんな間違った報道されて、悲しいし、つらい。龍くんやTRIGGERを傷付けられたのも悲しいし、報道の相手が私じゃないのも辛い。こんな時に、こんな弱音吐いてちゃ、ダメなの分かってるけど…」
「いいんだよ。。本当の気持ち言ってくれるのが一番うれしいよ」
そう微笑む龍之介を見上げ、は小さく頷いた。
「うん。だから…龍くん…ね?」
強請るような瞳。
それが何を求めているか、龍之介は知っている。
「…」
「龍くん…私の辛い気持ち、潰して?」
の腕が背中から首に回ると同時に、龍之介はの腰を引き寄せ口付ける。
「…いいの…?」
「して…龍くんのことだけ今は考えてたいの」
「…俺も。今はに溺れたい」
世間なんて、今は知らない。
互いのことだけ見て、感じて、求めたい。
そのまま深まる口付けは、二人の愛の時間の始まりの合図だった。