君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第141章 141
「え?!社長が会わせたかったの、御堂さんだったの?!」
「うん。でも、割と話しやすくて、色々話したら何だかすっきりしたよ」
合宿後のとある夜。
以前から言われていた一流セレブとの会合場所にいたのは御堂虎於だったらしい。
驚くだが、龍之介は言葉の通りやたらとすっきりした表情で帰って来た。
「龍くんがすっきりしたのなら良かったけど…」
「でも、開口一番、いねぇの?って聞かれたよ」
「しつこいねぇ、あの人…」
呟きながら、は何かを考え首を傾げる。
「ツクモだよね、あの人」
「星影だったかな。でも、ツクモと提携してるからデビューはそっちからかも」
「最近、すみれちゃんの様子がおかしいんだよね」
「花巻さんの?」
「なんか、スケジュールハードなのか凄い疲れた顔してて…確かにブラホワの女性アイドル部門に出場するし、プレッシャーとかもあるんだろうけど…」
「ブラホワはもでしょ?」
「うん。でも勝ち上がれるかは…」
大晦日の恒例特大音楽イベント。
その年の活躍によりポイント化され、本線に出場した二組が対決する。
「前回はIDOLiSH7に負けちゃったけど、俺たちも今年は優勝狙ってるよ」
「私は、女性シンガー部門。アイドルじゃあないらしいよ、本業女優だからかな」
確かに、は音楽番組への出演は多いが、ライブもまだ開催したことは無いし、曲数もまだ少ない。歌う曲も様々なジャンルを歌うが、アイドルらしいものは少ない。
「その前に…私は本業の方のノミネートが…」
「あ、愛していても、作品賞にノミネートされてるよね。は他にいくつノミネートされてるんだっけ?」
「えーと、作品賞、新人女優賞、助演女優賞かな?作品賞で大賞取ったら龍くんも出席だよ、授賞式」
「…い、忙しくなるね」
「ね、頑張ろうね」
「うん。あ、花巻さん…会う機会あるの?」
龍之介の問いに、は頷く。
「明日の歌番組の収録がIDOLiSH7とすみれちゃんと一緒だから、聞いてみようと思ってる」
「そっか。何かわかるといいね」
「うん…、私も現在進行形で結構ハードスケジュールだけど、支えが大きいからね」
呟きながら龍之介を見上げ微笑む。
ほろ酔いだった酔いはさめたようで、を優しく見つめていた。