君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第138章 138
「万理さん」
「…ん?」
「予定より、かれこれ一時間以上車で運ばれている気がするんですけど…」
都内のスタジオへ行くはずが、いつの間にやら建物は低くなり、何故か高速に乗り、今はもう建物より自然の方が多くなっている。
まさか…まさか…埋められる?!!
等とが仄かに恐れながらにこやかに運転する万理を見ていれば、何やら角を曲がって少し進んで車が止まる。
「さて、」
「はい…」
「合宿だよ」
「…はい?」
首を傾げた瞬間、窓を軽くノックされ、そちらを見れば環の姿。
その後ろにはカメラがいる。
何のかはわからないが、撮影のようだ。
だが、、未だ混乱中である。
「っちー!」
「うぉ!落ち、落ち着いて環!」
落ち着きたいのはもなのだが、車から降りた瞬間肩を組まれ、こっちこっちー!と連れていかれる。
「!」
「ちゃん?!」
「ちゃーん!」
「さんもいるんですか?!」
「え、いいのかな?男所帯に女の子一人なんて…」
を出迎えたのはIDOLiSH7、Re:vale、TRIGGERの面々。
錚々たるメンバーに、のテンパりはマックスである。
「何?!なになになになになに?!なんですかこれ?!」
「お前さんも何も聞いてなかったのか?」
パニック状態のを見て、龍之介がそっと近づき、身を屈めての頭を撫でながら顔を覗き込む。
「、大丈夫」
「龍くん…」
「Friends day、パーソナリティで出るでしょ?」
「うん…」
「その強化合宿なんだって。24時間でテーマソングを作る。ここは、熱海」
「きょーかがっしゅく…?てーまそんぐ…あたみ…な、なんだ…なんだぁ…びっくりしたぁ…」
龍之介の言葉に漸く合点が言ったらしく、は安心したのかそのまま龍之介にきゅう、と抱き着く。
「怖かったよぉ~~」
「よしよし、もう大丈夫だからね」
そんなを抱きしめ返し、微笑みながら彼女の頭に口付けてそっと撫でる。
カメラの存在をもう忘れている。