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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第131章 131




「」
「ん?」

数か所のアトラクションを紹介し、束の間の休憩時間。
ベンチからは海が見え、とても景色が良かった。

「大丈夫だった?」
「ずっと龍くんにぎゅってされてたから大丈夫」

最後にお化け屋敷へ入った一同。
の怯える様は、これまで長く一緒にいる龍之介ですら驚いた。
ぷるぷると身体を震わせ、涙目で龍之介に縋るように擦り寄りながらビビり倒すその様子に、龍之介は可哀そうだと思いつつ可愛いが勝りずっと抱き締めていた。
それでも音が鳴るたびに、きゃあきゃあと怯えるは可愛い以外の何物でもなかった。

「ただ…撮れ高が…」
「の顔、ほとんど見えなかったもんねぇ」

苦笑しながら頷けば、龍之介はの手を引いてベンチからゆっくりと立たせ、柵の前に連れていく。

「ん?」
「撮れ高。お化け屋敷の分、挽回しよ」

そう言って、景色を眺めるを後ろから抱き締める。
周りには一般客もいるからか、一斉に声が上がる。

「カメラ回して!!」
「回してます!」

プロデューサーの声も聞こえ、はくすくす笑いながら龍之介を見上げる。

「私達、需要高いんだね」
「みたいだね。俺には好都合だけど」
「私にも」

頷けば抱き締められたまま龍之介を見上げる。

「…かっこいい」
「は可愛い。怖いの苦手だったんだね」
「お化けとかが怖いっていうよりは…音とかかな」
「ああ、突然のおっきい音苦手だもんね」

そういえば以前、雷が突然大きく鳴った時に飛び跳ねていたな、と思い出す。
中々見ないの怯えた姿は可哀想で可愛い。

「」
「ん?」
「景色見ないの?」
「んー…海も好きだけど、龍くんの方が好きだし」
「…っ危ない…キスしちゃうとこだった…」
「ふふ、帰ったらいっぱいしようね」

くすくす笑いながらは手を伸ばし龍之介の頬を撫でる。

「さて、次はご飯だっけ」
「そうだね。そろそろ休憩も終わるし、座ろっか」

龍之介の言葉にこくりと頷き、は龍之介からそっと離れベンチに腰掛ける。

「二人とも」

すると後ろから声を掛けられ振り向けば、プロデューサーが親指を立ててサムズアップ。
撮れ高の挽回は成功したようである。

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