君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第119章 119
数日後、はとあるテレビ局にて新ドラマの打ち合わせにやってきていた。
「楽ーっ!」
「お、!よろしくな!」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
スタジオへ入れば、すでにやってきていた楽とハイタッチ。
「早速仲いいね、二人とも」
「TRIGGER狂い女優なんで!」
「はTRIGGERの妹分なんで!」
「これは良いドラマが撮れそうだ!さて、メンツも揃ってきたし、席について待ってもらっていいかな」
そして席につけば台本を渡され、ぱらぱらと流し読みしていけば一つの場面で手が止まる。
「…キスシーン一回目見っけ」
「俺もう三回分見つけたぜ」
「そんなにあるの?!龍くんになんて言えば…」
「…倍してやれ」
「そうする」
多分倍どころじゃなくなるよなぁ、などと苦笑しながら頷く。
すると、出演者も全員揃ったらしく、監督から声がかかった。
「ではまず、自己紹介から始めましょうか。主役の八乙女くんから」
「はい!八乙女事務所の八乙女楽です。単発のドラマですが、過去最高視聴率狙ってるんでよろしくお願いします!」
「お、いいねー!期待してるよ!じゃあ、次、さん」
「はい。小鳥遊事務所のです。ドラマですが、劇場版での続編に持っていけるよう張り切ります!宜しくお願いします!」
「二人とも志高いね!最高!」
監督もノリノリである。
その後も出演者の自己紹介が続き、主だったスタッフの紹介、一連の撮影スケジュールの確認と、簡単な読み合わせをしてその日の打ち合わせは終了である。
「最高のドラマにしましょう!宜しくお願いします!」
「よろしくお願いします!」
最後に全員でパンッと一本締めをし、その日の打ち合わせ兼顔合わせは終了。
「」
「ん?楽、どうしたの?」
「撮影、明後日からだろ?ちょっと最初だけ読み合わせしときてぇんだけど…まだ時間あるか?」
「もちろん!一時間くらいなら大丈夫だよ」
「お、サンキュ!」
スタジオ内ならどこでもいいか、と先程顔合わせしたスタジオで椅子を向かい合わせに置いて座る。
「二人でセリフ多いとこにしよっか」
「ん、そうだな」
台本を捲り、丁度良さそうなシーンを見つけ、頷き合う。
が深く一呼吸したのが、開始の合図となった。