君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第118章 118
「転入生の亥清悠くんだ」
「どーも」
打ち上げの翌日、久しぶりの学校へ登校したは、転入生の紹介をぼー、とした様子で聞いていた。
正直、寝不足である。
「っちー、なんか今日ずっとぼーっとしてんな?疲れてんの?」
「んー、昨日TRIGGERの打ち上げお邪魔しちゃったからちょっと寝不足なだけだよー」
「え、ちょーいいじゃんっ!羨まっ!」
「」
環と話してれば後ろから声を掛けられ振り向く。
先程の転入生、亥清悠の姿があった。
「何?えーっと、亥清くん、だよね」
「あんた、TRIGGERと仲良いんだって?九条天は?」
「…そういうこと、あんまり聞かないでくれないかな?TRIGGERに迷惑かけそうなこと、不必要に話すことしないよ、私は。初対面でフルネーム呼び捨てでくる人には特に」
「はぁ?なんだよ、ちょっと売れてるからってお高くとまりやがって!」
ぷりぷりと怒り出す悠に、は小さく息をつく。
「そんなつもりなかったけど…誤解させたならごめんね?これからクラスメイトなんだし、よろしくね」
にこりと微笑み、悠に手を差し出し握手を求める。
そんなに悠はうっかり惚けてその手を取り握手してしまう。
「……魔性」
「っちのあの笑顔、マジやっべぇもんな」
「……っは?!!なんだよ、触んな!」
「私からは触ってないよ」
「はぁ?!うるせー!バーカバーカ!」
バッと手を振り払い、悪態をついて去って行く悠。
その姿を見送り、はくすくすと笑いだす。
「なんですかあれ、小学生ですか?」
「うーん、ちょっと幼い感じするけど…なんかなぁ…名指しなとことか、天を異様にライバル視してる感じが取れて…なんかやだなぁ…」
そんなの呟きに、一織は何か考える。
「TRIGGERへのタダのライバル心なら向上心とも捉えられますけど…」
「天に対してはちょーっと違う感じだよねー…」
「だからこそさん、貴女も気を付けないといけないんですよ」
「へ?」
「さんがTRIGGER狂い女優と呼ばれ、周知されて久しいですが、近頃はTRIGGERもを溺愛していると認識され始めています」
そのような話はよく聞いていた。