君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第116章 116
「龍くん…」
「真っ赤で可愛い。、愛してる」
「私も愛してる。ね、ちゅーして」
「ん…」
「もっと」
「もっと?」
「ん。もーっと」
くすくす笑いながら口付けを強請るに、同じように笑いながら何度も口付けを送る龍之介。
「お前ら…」
「いちゃつくのは構わないけど、見えないとこでしてよね」
二人の背後で腕を組みながら、天と楽は二人を羨ましげに眺めるのであった。
「お疲れ様。、大丈夫?」
それから数時間後、打ち上げを終えた四人はバーの前でタクシーを待っていた。
まず最初に来た一台に、と酔っぱらってしまっている龍之介が乗ることに。
「うん。ごめんね、最初に乗らせてもらっちゃって。一応まだ龍くんも一人で歩けるくらいだし、大丈夫」
タクシーに先に龍之介を乗せて、天と楽を見る。
天とは未成年故に酒は飲んでおらず平常だが、大人二人はほろ酔いと泥酔の狭間にいる。
「楽、大丈夫?」
「龍ほど酔ってねぇよ。気を付けてな」
「はーい。じゃあ、楽とは次の打ち合わせかな」
「だな、またな」
「うん。天は歌番組だね。楽しみにしてるね」
「うん。本当に気を付けてね」
心配そうな天に微笑めば、そっと頭を撫でられる。
そのままじっと見つめられ、は首を傾げながら天を見上げた。
「天?」
「…ううん、何でもない。ほら、メーター上がっちゃうよ」
「お、大変大変。じゃあ、二人も気を付けて。おやすみなさい!」
「おやすみ~天、楽…またね~」
「ちゃんと酔い醒ませよ、龍」
タクシーに乗り込むはそのまま龍之介に水を渡しつつ、車内から天と楽に手を振る。
「可愛い…」
「な」
去って行くタクシーを見送りながら、天が呟けば楽もまたうんうんと頷く。
「一緒にタクシー乗ってくか?」
「冗談。お疲れ」
そう言って次に来たタクシーにさっと乗り込み、そのまま去って行く天をため息混じりに見送ってから、楽もまたタクシーに乗り帰路へとつくのであった。