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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第115章 115




「いー匂い…好きーっ」
「あ、汗臭くない?」
「そんな事私が気にしたことあった?龍くんの全てを愛してる私を舐めないで頂きたい」
「……キスしたくなるからそんな可愛い事言わないで…そんな可愛い…可愛いぃ…」

更にきゅう、と抱き締められ、は嬉しそうに笑いながらも何か思いついたかのように首を傾げる。

「龍くんがキスしたら私が天と楽にチューされちゃうってことは……私が龍くんにキスしたら、天と楽は龍くんにチューするってこと?」

何でそうなる?!
と思ったが、そう取られてもおかしくはないかもしれない。


「しねぇよ!!」
「龍のことは仲間としては好きだけど、さすがにキスはしたくないよ」
「うん、龍くんは私のだからしちゃダメ」

どうやら楽しくて仕方ないらしいもまた、ライブの余韻でテンションが高いようだ。
くすくす笑いながら龍之介の頬を撫でる。

「さて、皆これから打ち上げでしょ?私先に帰ってるから、楽しんできてね」
「も行こ?」
「だめだめ。私はただの観客。スタッフと演者を労う所にはいかないよ」
「俺たち、三人で打ち上げだから」
「そうなの?」
「そう。いつもツアーの後は僕たちが出会ったバーで静かに打ち上げするのが恒例になってるんだ」

天の言葉にそうなんだ、と頷いてから、は再度首を振る。

「そんな三人の特別な場所に、益々行けないよ。これはTRIGGERの成し遂げたことなんだから、三人で行ってきて」

にこりと微笑むに、三人で顔を見合わせる。

「でも、帰り危ないよ」
「タクシーで帰るから大丈夫。ほら、着替えて着替えて、時間無くなっちゃう」

微笑みながらハンガーに掛けられていた着替えを手渡し、外にいるねーっ、と楽屋を出ていく。

「も連れてくつもりで楽屋呼んだんだけど…」
「まだ帰ってねぇんだし、もっかい誘えば良いだろ」
「が来てくれた方が嬉しいんだけど…、でも僕たちのことをちゃんと尊重してくれるの、嬉しいね」

本当にいい子。
そう言いながら天は着替えを始める。

「もう少し、ワガママでもいいんだけどね」

そんな事を呟きながら、龍之介もまた着替え始めるのであった。

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