君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第115章 115
TRIGGERのライブツアー最終日。
は午前に仕事を終え、ライブ会場へと到着した。
「一般待機列に行っちゃダメ。TRIGGERに迷惑かけない!」
こくりと頷き、一般待機列を羨ましそうに眺めながら関係者入口へと向かう。
「一般で取った割にはいい席だなぁ」
アリーナではないがスタンドの最前列。
昨日は居場所がバレていたようで、TRIGGER三人からのファンサが凄かった。
周りの子たちからは感謝されたが、今日はバレない様にコソコソ見ようと思っている。
最前列だから、見つかってしまう可能性もないとは言い切れないが。
そんな事を考えていれば、会場の時間となり関係者列も動き出す。
「あれ、さん?」
「?監督!お久しぶりです!」
「打ち上げ以来だね。でも活躍は見てるよ!」
「愛していてものお陰です。本当にありがとうございました」
デビュー作のドラマ「愛していても」の監督に声を掛けられ、何度か頭を下げる。
「公言通り、TRIGGERのファン続けてるね」
「続けてると言うか…生活の一部というか…」
くすくす笑いながら列を進み、スタッフにチケットを見せる。
「そうだ、まだオフレコなんだけど、愛していても、続編希望の声が出ててね」
「そうなんですか?綺麗に終わったなぁって感じもしてるんですけど…」
「そうなんだけど、雅と徹のその後が見たい!ってよく聞くんだ。視聴者からの声もあるし、業界内でも」
有難いことだ、とは監督と共に頷く。
「でももし続編が実現しても、さんも十くんも忙しいなぁと思って」
「私は、愛していてもが続編となるなら、絶対に出たいです。スケジュール何としても空けれるよう頑張ります!」
「嬉しいねぇ…また連絡するね」
「はい!お待ちしています!」
の席は一般席の為、監督と別れ席に向かう。
「続編かぁ…出来たら嬉しいけど…龍くん忙しいもんなぁ」
自分の忙しさは棚に上げて、龍之介のスケジュールを思い出す。
とはいえ、そのような話が出るのはやはり有難い。
そんな事を考えていれば、会場が暗くなりオープニングが流れ始めた。
昨日も夢のような時間だった。
今日はどんな夢を見せてくれるんだろう。
セトリはどう変わるんだろう。
ワクワクとした気持ちで、はライブに挑むのであった。