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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第113章 113




くすくす笑いながら、着けてみていいですか?とスタッフに断り指輪に触れる。

「可愛い」
「、貸して」
「ん?はい」

指輪を龍之介にそっと渡せば、の左手をそっと手に取り薬指に指輪を嵌めた。

「……綺麗」
「似合う?」
「とっても。、俺…すごく…」
「もー、泣かないで。ありがとう、龍くん」

余りの美しさに涙ぐむ龍之介に、はくすくす笑いながら彼の頭を撫でる。
苦笑しながら涙を拭われ、龍之介は頷きを見た。

「気に入った?」
「すごく。龍くんのべた褒めで更に」
「じゃあ、これにしようか」

にこりと微笑む龍之介に頷き、は嬉しそうに頷く。
予算内で心から気に入るものを見つけられた喜びは計り知れない。

「こちらですと、リングの内側に刻印サービスが出来ますが、如何いたしましょう?」
「RYUNOSUKEでお願いします」
「俺たちの名前じゃないの?」
「え?」
「こ、婚約指輪だよ…?」
「…私の名前いる?」

着けるの私だもん。
贈ってくれた龍くんの名前入れたいもん。
そんな可愛く言われてしまったら折れるほかないし、それはそれでもっともな理由にも感じてしまった。

「じゃあ、俺の結婚指輪には絶対の名前入れるからね?」
「うん、私は結婚指輪にも龍くんの名前入れる」

そんな二人のやり取りを微笑ましく見ていたスタッフ。
手元ではタブレットを操作しているのがさすがプロといったところか。

「本日注文されて、制作が一カ月ほどかかりますので、お受け取りはこちらで宜しいでしょうか?」
「はい、大丈夫です」
「楽しみです」

注文書に記入をし、龍之介が支払いを済ませる。

「ありがとう、龍くん」
「どういたしまして。楽しみだね」
「うん!」

そっと頭に口付けられ、手を取り繋がれる。
きゅ、と握り返しスタッフの案内で店の出口まで見送られた。

「丁度お昼だね、どっかで食べよっか」
「やった!何食べよう?」
「何食べたい?」
「そうだなぁ…お昼はガッツリ…ハンバーガー!」
「よし、じゃあ行こう」
「うん!」

何気ないデートの日。
こうして幾度も思い出を重ねることを、幸せと呼ぶのだろう。
そんな事をふと思う二人であった。

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