君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第110章 110
「龍くん、愛してる」
『俺も愛してる』
「ご飯は精が付くものにしておくね?」
『朝まで寝かしてあげられなくなっちゃうよ?』
「うーん…大丈夫。頑張る」
お茶を入れながら微笑み、そのままカップを持ってソファに座る。
先程から、少々気になっていることがあった。
「龍くん」
『ん?』
「眠いでしょ」
『……バレた?』
普段通りの言葉運びだが、ぽやんとした声には微笑み問いかける。
どうやら図星を突いたらしい。
「ん。明日を楽しみに、今日はもう寝よっか」
『もう少し話したいけど…も学校だもんね』
「うん。龍くんのシャツ匂い薄くなってきたから…早く帰ってきてね?」
『はは、了解。明日準備出来次第すぐ帰るよ。、愛してる』
「私も愛してる。じゃあ…おやすみ、龍くん。また明日ね」
明日への期待を込めて大人しく通話を終え、はお茶を飲み干してキッチンへ向かう。
「明日…。楽しみ」
そんな事を呟きながら寝る準備を整え、この夜は何とか眠りについたのであった。
「んぉ?!っち来てんじゃん!」
「おはよ、環、一織!」
翌朝、教室で授業の準備をしていれば、少し後に登校してきた環に声をかけられた。
「今日オフなの」
「最近ゆったりとしたペースですね」
「来週からそうでもなくなったけどね。ま、頑張るよ」
いくら芸能コースで日数などはゆるめだとしても、の出席日数はぎりぎりである。
何とか課題をこなして譲歩してもらっているものの、出れるときは出席しておきたいのが本音だ。
「十さんは今日帰ってくるんです?」
「あ、そうそう。やっとだよー…長かった」
「寮、帰ってくりゃ良かったじゃん」
「龍くんの面影ないと、寂しくて余計寝れないんだもん」
「さん、貴女ちゃんと寝てます?」
一織の言葉に、昨日はちゃんと寝たけどなーと首を傾げる。
「私たちは体が資本なんですから、きちんと休息とってくださいよ」
「はーい。大丈夫、今日からは超安眠!」
そう言って嬉しそうに笑うは何とも幸せそうで、一織と環は顔を見合わせてからを見て微笑むのであった。
そして放課後。
学校へ出て、マンションの方へ向かうは、向かう先に一台の車を見つけた。
「え…嘘…」