君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第105章 105
「は、ふぁ…ん…」
「ん…可愛い」
チェックアウトまでのつかの間の時間。
これからの帰り道でいちゃつけない分、今べったりとくっついていたい二人。
「もう行かないとだ」
「そうだね。行こっか」
時計を見て小さく息をつくに口付け、龍之介は微笑みそっと頭を撫でる。
「帰ってもがいるの、本当に幸せだ」
「そうだね。龍くんと一緒に帰って、ご飯食べて、一緒に寝られるの、幸せ」
「だね。よし、行こう」
「はーい」
龍之介の膝から降りて、彼の腕を引いて立ち上がらせればそのまま抱き着き口付ける。
「…私、キス魔みたい」
「それは俺も。を見てるとどうしてもしたくなっちゃう」
の頭を撫でて微笑み、手を繋ぐ。
そのままフロントへ向かってチェックアウトをすれば、またも仲居と女将、総出で見送られた。
「そのまま帰る?」
「うん。あ、冷蔵庫空っぽだから買い物して帰ろ。何食べたい?」
「そうだなぁ…」
車に荷物を置いて乗り込み、いざ出発。
「は何食べたい?」
「ハンバーグ食べたい!」
「じゃあ決定。一緒に作れるしね」
夕飯も決まった所で、話題はTRIGGERのライブへ。
「全通したかった…」
「俺も、全部連れていきたかった」
「残ったらで良いから、地方限定グッズおねだりしていい?」
「全部持って帰るよ」
「それは甘やかしすぎ」
けれどめったにないのおねだりだ。
叶えない選択肢は龍之介にはない。
「俺がいない日、寮帰る?」
「ううん、寮だとみんなはいるけど、龍くんの匂いしないから多分すごく寂しくなっちゃうし、マンションいる。……龍くん?」
赤信号。
ふと横を見ればハンドルに顔を隠す龍之介。
何事かと声をかければ顔だけ向けられ微笑まれた。
「もー…そんな可愛すぎること言われたら、もっと愛しくなっちゃう。愛してるよ」
「私はその笑顔でもっと愛しくなっちゃう。私も心から愛してる」
にこりと微笑み、龍之介の頬を撫で外を見るよう促す。
その後も順調に走らせ、買い物も済ませて二人は無事マンションへたどり着く。
「楽しかったね」
「うん。また行こうね」
そんな言葉を交わしながら、更に愛を深めた二人は部屋へと戻って行ったのであった。