君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第105章 105
朝食をしっかりと食べ、もう一度まったり温泉を堪能した。
現在メイクの為洗面台占領中である。
「、メイクしなくても可愛いのにね」
「んー?すっぴんでもバレちゃうもんね」
普段からナチュラルメイクしかしていないのもあるが、バレやすいため外出時はバレても「うわ、すっぴんじゃん」と言われない様になるべくメイクは施す様にしている。
「可愛い…」
「まだ化粧水しかしてません」
後ろから抱き着いて来る龍之介にくすくす笑いながら、メイクを終えれば龍之介を見上げる。
元々愛らしい子が更に可愛くなるその過程を見守れるのはある意味特権ともいえる。
「終ーわり。下の売店覗きに行く?」
「お土産?」
「うん、色々揃ってますって仲居さん言ってたし」
そういえばそうだったとの言葉に頷き、二人手を繋いで部屋を出れば、エレベーターで降りて売店へ。
一旦はと龍之介の姿にざわついたが、それ以上は騒がれることもなく、二人はお土産を物色。
「事務所はお饅頭でー、未成年組は…あ、このプリントクッキーの詰め合わせ良いなー。大人組はおつまみになりそうなのあるかなぁ。万理さん…うーん…」
「天と楽はお煎餅かなぁ…姉鷺さん…社長…、俺ちょっとお酒のコーナー見てくるね」
「はーい」
龍之介を見送り、土産を見ていれば差し込む影。
何事かと視線を上げれば虎於が横に立っていた。
「それ以上近付かないでください」
「そんなに俺が嫌いか」
「嫌いですね」
虎於と認識してからそちらに一切視線を向けず答える。
「ちゃん…?」
「?え、すみれちゃん…何でここに…」
「俺の連れだ」
虎於の答えには信じられないとばかりにそちらを見る。
すみれとは、が歌手デビューしてから何度か歌番組で一緒になり、まだ世間話を交わす程度の仲だ。
だから誰と付き合っていようが別に関係はないのだが、相手が虎於という時点で心配はあるらしい。
「」
「龍くん、決まった?」
「うん、皆の分決まった。あれ、花巻さん?虎於くんと…?」
に近づき、そのまま寄り添う龍之介。
すみれの姿に後から気付いた彼に、の姿しか見えてないのか?と虎於は呆れ顔である。