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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第101章 101




「…よし、」
「なぁに、龍くん」
「俺にとってもは家族以外で生まれて初めて愛した子。これからもしか愛せない。だから、俺にとっても最後の子になってくれる?」

ずっとポケットに忍ばせていた小さな箱。
その箱の中は龍之介からの二つ目の愛のしるし。

「龍くん…」
「俺たち、付き合い始めて半年も経ってないし、は17歳で…多分まだ時期的には早いと思う。でもね、俺の気持ちはもう揺るぎようがないんだ」

箱の中身は、シンプルな小さな石が付いた指輪。

「…っ」
「すぐじゃなくていい。の準備ができるまで待ってるから、ずっとと一緒に居たい。守り続けたい。俺、まだ頼りないけど、でも、俺と結婚してくれる?」
「する…!龍くん…龍くんっ」

うるうると涙目になり、抱き着いて来る華奢な体。
折れそうなくらい目いっぱいに抱き締めて、その手を取る。

「これはね、プロポーズ用の指輪。サイズはあってると思うけど…東京帰ったら、ちゃんとした婚約指輪買いに行こうね」
「うん……龍くん、私、なんかでいいの?」
「じゃなきゃ嫌だよ。を好きになってから、ずっと伝えたかった」
「龍くん…」
「こそ、俺でいいの?」
「龍くんが良い。龍くんとじゃなきゃ嫌。愛してるもん」

の言葉に微笑み、左手の薬指にそっと指輪を嵌める。

「これで十分すぎるくらい、嬉しい」
「ちゃんと贈りたい。の気に入るもの、見つけようね」
「ありがとう、龍くん。ずっと傍に居る。何があっても、龍くんを支えていけるように頑張る」

指輪を見て嬉しそうに微笑んでから、は龍之介を見上げる。
その笑みは、これまで以上に輝いて、愛らしかった。

「…」
「ん?」
「抱いていい?」
「?もうぎゅって…の抱いていい、ではない…?」
「うん。の中に入りたい」

ドストレート過ぎるそのお誘い。
真っ赤になったまま思わずうなずいたその瞬間、のスマホが高らかに鳴り響いた。
瞬間、甘い空気が一度去る。

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