君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第100章 100
「東京に出てから私の周りはいい人ばっかだったから…東京出るまでの身近な人は苦手な人ばっかだったけど…」
呟けば苦笑しながら紅茶を一口。
「お母様は私の気持ちなんてお構いなしで、というか知りもしないで、御堂グループに嫁げるのは幸せなことだと思ってる。それも気に入らない。私の幸せは私が決める。決めた場所は、ここなの」
そう言って微笑みながら、は龍之介の頬を撫でる。
「そうであって欲しい。を一番幸せにできるのは俺だけだって思いたい」
「そうだよ、私を一番幸せにできるのは龍くんだけなの」
頷きながら、再度頬を撫で口付ける。
すかさず逞しい腕に抱き締められ、口付けが返された。
「…改めて思うんだけど」
「ん?」
「俺、の事絶対離せないと思う」
「離さなくていいんだよ?私も離れたくない」
嬉しそうに微笑むに龍之介もまた微笑みの顔の小ささを確かめるように輪郭をなぞる。
「こんなに一人の女の子にはまり込むなんて思わなかった」
「色んな子好きになりたかった?」
「そうじゃなくて、俺はTRIGGERでいることと、ファンを大切にすることだけで満足だと思ってたから。実際に会うまで恋人作る気もなかったしね」
「私も、龍くんに会うまで恋人作る気なかった。でも、龍くんに出会った瞬間、大好きって…この人しかいないって思ったの」
「…、愛してる」
「私も愛してる。今までも、これからも」
ゆっくりと抱き着いてくるをしっかりと抱き締めれば、龍之介はそのままを見る。
「17歳で将来の相手決めちゃって良いの?」
「当たり前。最初で最後の相手だもん」
そういうのその表情は何よりも幸せそうである。
自分だけが見られる、自分だけに向けられたその表情が何よりも愛しい。
だから、早いかもしれないけど、決めたことがあるんだ。