君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第11章 11
翌日。
打合せを行う会議室は、よくわからない緊張感に満ち満ちていた。
「えー、昨日変更のメールが届いたことと思いますが、読んでもらえたかな?」
「拝読しました」
「両事務所から、OKの返事をもらっているわけだけど、改めて演者である二人の意見聞いておきたくてね。特にさんは未成年だから」
プロデューサーの視線が向き、は小さく頷いて微笑む。
「はい、私はお仕事として依頼されたことはきちんとやり切りたいと思っています。十さんが相手なら安心ですし、問題ないです」
「そうか、ありがとう。十くんは?」
「俺も、この仕事を受けた以上、どんなこともやり切りたいです。なので、しっかり務めたいと思います」
二人の意志を確認したプロデューサーは、ならばよし、と微笑み、細かい打ち合わせを始める。
は龍之介を視線を合わせ、互いに微笑む。
「…とまぁ、こんな感じで。出来たら、二回くらいして欲しいんだけど…」
「大丈夫です」
「流れで増えるかもしれません」
そんな龍之介の言葉は冗談にとられ、わっと場が盛り上がり、緊張感が和らいだ気がした。
「いい?」
「もちろん」
龍之介の問いにも頷き、更に周りは笑いだす。
けれど、この時のと龍之介は解っていた。
これは冗談でも何でもないのだと。
龍之介本気でに口付けたいと思っているし、もそんな龍之介を受け入れたいと思っている。
「じゃあ、準備出来次第、撮影始めようか」
「はい、では私着替えて来ますね」
「俺も、準備してきます。行こう、さん」
二人立ち上がり、会議室を出る。
「さん、本当に大丈夫?」
「…緊張はします。でもさっき言った通り、十さんになら、十さんとなら、大丈夫です」
にこりと微笑むに、胸がきゅんと高鳴り、龍之介は思わず自らの胸元を掴む。