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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第85章 85




京都から帰ってきたと龍之介は、下手したら顔を合わせるのがベッドの上、しかもどちらかの寝顔のみという怒涛の日々を送っていた。
小鳥遊事務所の公式チャンネルに、週一のペースでの「歌ってみた」動画が上がり、その反響は瞬く間に様々な媒体で紹介された。
鋭いものはの歌手デビューに感づき始めている様で、期待の声が上がると共にひっそり音楽番組へのオファーも来ているらしい。
故には現在、女優の仕事歌手デビューの準備に明け暮れている。
一方龍之介は、三日間のゼロアリーナのこけら落としの初日にTRIGGERの公演が決まり、ミュージカルとシャフルユニットの練習に大忙しである。

「おはよう、龍くん」
「おはよ…、今日はゆっくり?」
「ん。土曜日に仕事昼からなんて久しぶり」

土曜日だから、午前が空いていても学校に行かなくていい。
少しゆっくりできる、と起き上がり伸びをしていれば腕を引かれベッドに引き戻される。

「俺は仕事…と一緒に居たいよぉ…」
「かわい。私も今日は九時ぎりぎりまで仕事だから、ご飯作っておいとくね」

見上げてくるの額に口付け抱き締める。
それだけで、幸せそうな笑いが胸元から聞こえてきた。

「ありがとう。帰ってきてのご飯があったらそれだけで疲れ吹き飛ぶ。でも、久しぶりの午前休みだし、ゆっくりもして欲しい」
「食材あるし、作るだけだからゆっくりもできるよ。昨日龍くんが洗濯しといてくれたし」

微笑み、ありがとね、と礼を言いながら龍之介に跨り口付ける。

「愛してる」
「俺も愛してる」
「出発は?」
「んー…一時間後かな」
「…20分、くっ付いてていい?」
「一緒にシャワー浴びたら30分一緒に居られるよ?」
「…じゃあ、お風呂行く?」
「行く」

の問いに起き上がり、を抱き上げて浴室に向かう。
それまでの龍之介の行動はとても素早く、そしてご機嫌な足取りである。
ここ数日に高まった欲をぶつけあうように、シャワーを浴びながら二人は何度も体を繋げたのであった。

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