君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第83章 83
友人たちとの久しぶりの交流はとても楽しいものであった。
始めは近況報告から始まり、互いの生活圏での出来事や思い出話に花を咲かせた。
さすがに恋愛のことは「仕事忙しくて無理だよー」に留めたが、周りは楽しそうにデートの話などをしてくれた。
周りを気にせずに付き合える彼女たちを羨ましく思わないわけでは無いが、仕事があって恋も順調であることに変わりはないのだから充分幸せである。
そんなこんなで予定より少しばかり遅くなってしまったが、無事ホテルにチェックインを済ませ、部屋に帰り着く。
「うへー。ちょっと疲れたぁ」
取り敢えずベッドにダイブし、スマホを持ち上げる。
移動の合間に次の行き先と共に写真を送っていた。
「メッセージ、愛溢れすぎ」
返信を見返していれば「可愛い」と「愛してる」と「早く会いたい」の3つは大体文章に込められている。
スケジュールは詰まっていただろうに、それでもこの文面。
返信の度に姉鷺や天に怒られていないかと少々心配になる。
「もう家着いたのかな」
呟きながらラビチャを立ち上げ、寝転んだまま撮った写真を龍之介に送る。
【ホテル着いたよ。明日はお土産買って、事務所寄ってから帰るね】
すぐに既読が付き、そして着信。
早いなぁ、とくすくす笑いながら電話に出れば愛しい声。
『』
「龍くん、お疲れ様。もう家着いた?」
『うん、今にラビチャ送ろうと思ってたとこ』
少々疲れている様子の龍之介に、は小さく微笑む。
「今日は機材トラブルで予定詰め詰めになっちゃったんでしょ?それなのにメッセージ返してくれてありがと。今日はゆっくり休んでね」
『でももっとと話したい…』
「それは最高に幸せだけど。でも明日も仕事でしょ?」
『うん』
ふんわりとした口調の受け答えになる時は相当眠い時である。
これはさっさと寝かし付けた方がいい。
「じゃあ龍くん、寝る準備したらまた電話して?それで、寝るまで話してようよ」
『うん、そうする…』
「無理せず寝ちゃってもいいからね?」
『やだ、と話したい』
かーわーいーいーっ!
電話越しで龍之介の答えに悶えていれば、?と呼ばれハッとする。