君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第81章 81
「ちゃんもTRIGGERに狂ってるけど…TRIGGERもに狂い始めてるじゃない」
そう言って呆れたように三人を眺める姉鷺であった。
「こんなもんかー忘れ物ないかなー…おお、化粧水。お高い化粧水」
部屋を見回し、忘れ物を確認しつつ荷物を片付けていく。
一つは荷物になるため、宿を出るときに事務所宛てで配送を頼むつもりだ。
ゆっくりと荷物を片していけば、部屋のチャイムが鳴る。
「龍くん」
「お待たせ、」
「ん…龍くん」
部屋に招き入れるなり口付けられ、は背伸びしながら龍之介の背に腕を回し口付けに応える。
割り入ってくる舌を軽く吸えば、ゆっくりと絡んでくる。
「ぁ…ふ、ん…」
「ん…離れがたい」
「私も。でも、ちょっとだけ我慢。明日早めに帰って、ご飯作って待ってるから。早速洋食に挑戦しちゃう」
龍之介を見上げ、まだ寝癖を取っただけのセットしていない髪を撫でる。
「ん…じゃあ俺も頑張る」
「頑張って。約束通り、こまめに連絡するから」
「うん、ホントに気を付けてね」
「はぁい。ほら、そろそろメイクの時間でしょ?」
微笑み背伸びをして、龍之介の頬を撫でてから口付ける。
嬉しそうに口付けを返してきた龍之介に抱き締められてから、そっと離れて見上げれば、を愛し気に見つめる金色の瞳。
「そんなに見つめないで。離れられなくなるから」
「俺も離れられなくなる。一緒に連れていきたい。ダメ?」
「ロケに?だぁめ。事務所とIDOLiSH7にお土産選ばなきゃだもん」
「残念」
「気持ちは、ずっと傍に居るからね」
「それは俺も一緒。愛してるよ」
「私も愛してる」
頬を撫でられ龍之介を再度見上げれば、今度は触れるだけの口付けが降ってくる。
「よし、行ってきます」
「行ってらっしゃい、龍くん」
の微笑みに見送られ、龍之介は部屋へ戻る。
龍之介を見送り、は荷物を最終確認し、TRIGGERの支度が整うまでゆったりと過ごすのであった。