君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第78章 78
バーで一通り話し込み、店を出たその瞬間、は万理によって呼び止められた。
一緒にを探していたのか、姉鷺の姿もある。
ここじゃ何だ、とマネージャー二人に押し込まれる形で4人はまた個室へと戻った。
「、大変なことが起きたよ…!」
「な、何ですか?!誰かに何かあったんですか?」
「君にだよ!アーティストデビューのオファーが来た!」
なんだって?
「……ドッキリですか?」
「大きいオファー来ると絶対そういうよね?オファーというより、もう決定事項だからね」
なんだって??
「嘘でしょ?!ボイトレまだ納得できることまでやれてませんよ?!」
「TRIGGERと同じレーベルでも?」
決定だというのに首を振り、拒否の意を示すに万理の一声。
ぐぅ、という小さな唸り声と共に肩をピクリと揺らすが、それでも!とは首を横に振る。
「TRIGGERと同じレーベルなら尚更!中途半端な状態で歌えません!」
「、でもチャンスだよ?」
「龍くん…」
そっと肩に触れられ見上げれば、誰よりも嬉しそうな龍之介の笑み。
「そういうと思って、電話繋いでます」
「え?」
「トレーナーさん」
万理からスマホを手渡され、耳に当てれば即聞こえる、突き抜けるような明るい声。
『あ、ちゃん?ヤッホー☆あんね、もう完璧!あんた求めすぎ!大丈夫だからデビューしちゃいな!!』
「先生!いや、ちょ…ええ!?」
『大丈夫。ちゃんは素晴らしい歌手になれるから!ボイトレはこれからも続けるし大丈夫!さ、安心してドドーンとデビューしちゃって☆あ、私今からデートだから!ばいばーい!』
嵐のようにまくしたてられ、プツリと電話は切られた。
「だそうだよ」
「……やるしかない、ってこと?」
「そゆこと」
万理にこくりと頷かれ、もまた覚悟を決めたように頷き返す。
「頑張り、ます…」
「おめでとう、ちゃん。てことで龍、アンタにも仕事」
「え?俺ですか?」
「ちゃんのデビュー曲、龍が振り付け考えて」
「恐れ多すぎませんか?!!」
「わぁ!早く曲聞きたいなぁ!のデビュー曲に協力できるなんて嬉しいよ!」