君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第77章 77
「小さい頃からこれだったから、これが当たり前だと思ってた。でも、東京出て、龍くんに合って、人から愛されることの幸せを知った。
色んな人が色んな愛を持ってて、その一部でも私に分けてくれる幸せを知った。だから、私は今すごく幸せです」
ふふん、と嬉しそうに笑うに、龍之介は彼女の頭を抱き寄せてそこに口付け、天と楽は小さく笑いを見る。
「ま、お前が仕事楽しくて、龍と居るのが幸せならそれで良いだろ。たまに俺も構ってくれりゃ」
「僕は君がきちんと自分の仕事と責任を全うするなら、生まれも育ちも関係ないと思うよ」
「俺はどんなでも愛してる」
「ありがとう、楽さん、天、龍くん。みんな大好き!」
そう言って微笑むのなんと愛らしい事やら。
龍之介のみならず、天と楽まで思わず胸を高鳴らせてしまう。
「本当に君は…」
天の言葉にが首を傾げれば、楽がを呼ぶ。
「、そろそろ俺も呼び捨てしてくんね?」
「へ…」
「こんな話までされて、もう照れも何もないだろ?」
「うーん、確かに…?……が、く…」
照れ臭そうに、上目がちに見られて呼び捨てにされた楽。
うっかり自らも照れてしまう。
「……やっべ」
「ちょっと楽」
「なんだよ」
「一人で悦に入ってないでよね」
「楽、は俺の」
「ぷきゅ」
ぐい、と肩を引かれ、そのまま抱き締められる。
目の前で恋人が他の男を読んで照れているところを見てうっかり妬いてしまった模様。
「私は龍くんの。へへ、幸せ」
「俺も幸せ」
「天、俺が龍に勝てるわけねぇだろ」
「まぁ、そうだね」
「即答すんな」
苦笑しながら、楽はを見る。
龍之介と他愛ない話を交わしながら微笑むは、何よりも愛らしい。
「俺は龍と一緒にいるがより可愛いと思う」
「確かに」
「ダチんちの猫が懐いてくれた感じだな」
「あぁ、なるほど。僕もそんな感じ」
言い聞かせのように聞こえるが、今はそれでいい。
そんな思いを抱きながら、天と楽は何となく再度乾杯し、それを見たにもう一度せがまれ、また皆で乾杯をするのであった。
君に幸あれ、と。