君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第77章 77
夕食の撮影も終え、本日の撮影は全予定通り終えることが出来た。
スタッフ達も片付けを終え、各々自由時間である。
「龍、天、大浴場行こうぜ!」
「私も部屋のお風呂入ってこよっかな」
「僕も部屋付きのお風呂で良いんだけど…。、一緒に入る?」
ブーッ!!
「だ、ダメだよ天?!!は俺の!!」
「冗談だよ、龍。お茶拭きなよ」
思わずお茶を吹き出した龍之介にお手拭きを渡しながら天はくすくす笑う。
「龍くん、慌てんぼさんだなぁ」
「ありがと…」
天と同じようにくすくす笑いながら、は龍之介の口元をそっと拭う。
「浴衣も濡れちゃったね。新しいの用意しておくから、お風呂行って来たら?」
「そうしようかな。天も行くよね?」
「行くよ。全く…ホントにのことになると…」
小さく息をつきつつも、龍之介の背を軽く叩き大浴場へ促す。
そんな3人を見送り、もまた自らに充てられた部屋へと戻った。
「っっあー、大きいお風呂ってやっぱり気持ちいいね!」
「疲れ抜ける感じするよな!」
「他のお客さんの迷惑になるから騒がないで」
そう注意を促す天も、気持ちよさげに湯船に浸かっている。
まだ幸い人が多い時間ではないようで、入浴客はまばらだが、やはりTRIGGER3人揃っているのは目立つようだ。
「TRIGGERだ…」
「さっきもいたよな。ここの娘ってホントだったんだな」
「めっちゃ可愛かったよな!テレビで見たまんまで抱き締めたら折れそうだった」
そんな声が聞こえ、天と楽は龍之介に視線を向ける。
「一般人にまで目くじら立てないでよ?龍」
「そうだぞ龍。実際のあいつ知ってんのお前だけだろ」
「睨んでないよ。も人気出てきてすごいなって思っただけ」
「あいつ、可愛い上に演技上手いからな」
「歌もうまいよ」
「そうなの?」
「へぇ、聞いてみてぇな。今度カラオケ行くか!」
ゆっくりと湯船に浸かり、日ごろの疲れを癒した3人は、そろそろ上がるかと大浴場を後にし、身支度を整え脱衣所を出る。
「あ、タオルってカゴに入れたらよかったんだよね?持ってきちゃったから置いて来る。二人は先行ってて」
置き忘れに気付いた龍之介は、再度脱衣所に戻り、タオルを洗濯かごに放り込んでからそこを後にする。