君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第75章 75
ここに、一つの戦いがあった。
「ダメよ!」
「何でですか!見たい!!」
「大神くん、この子何とかしてくれない!?」
「こうなったを止める術をまだ学んでません!」
ある部屋の前で頑なに入室を止める姉鷺と万理VSどうしても中に入りたい。
その部屋とは貸切温泉の脱衣所。
中にはTRIGGERの三人。休憩を終え、温泉の紹介をするための撮影前である。
「姉鷺さん、大神さん、言い出したら聞かないから、ちょっとだけ」
「龍…」
外の騒ぎに龍之介がひょこりと顔を出し、に近づけば彼女の頭を撫でながら姉鷺を見る。
「ちょっと我儘聞いたら、後はあっさり引きますから」
子供か。
そんな事を心中思いながら、龍之介が言うのならば間違いないと姉鷺は折れて、導入部分だけよ。とに告げて入室を許可する。
「十くん、さすがだなぁ…」
「あの子の扱い心得てるわね……」
妙に感心してしまう、万理と姉鷺であった。
「脱いでない!!」
「あんだけ外で大騒ぎされて脱げるわけねぇだろ」
楽のツッコミに、そりゃそうだと頷く。
外の騒がしさに、三人ともいつ突入されるか気が気でなかった。
「TRIGGER狂い女優がこれだけ見たがるってことは視聴者も見たいよね…。上だけ三人でちょっと色っぽく脱ぐとかできる?採用するかは出来次第だけど」
何だか、どんどん通称がひどくなっているような気がするが、そこはそれ。
プロデューサーの言葉にの瞳はきらきらと輝き、TRIGGER三人は姉鷺の反応を見る。
「まぁ、やってみてもいいんじゃない?子犬が喜んでるし」
姉鷺の言葉に龍之介たちがそちらを見れば、尻尾があればちぎれんばかりに振っていそうなの顔。
一旦顔を見合わせ、の為ならば仕方ないと三人は頷く。
「」
「ん?」
「目、離さないでね?」
「俺たちにもっと溺れて?」
「ちゃんと見てろよ?」
息の合った三人の言葉にこくこく頷いた。
しっかり見届けようと視線を受けた傍から、瞬きすらできなくなったが、同時にそんなTRIGGERが大好きすぎる自分を呪った。