• テキストサイズ

君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第72章 72




週が明けた月曜日。
龍之介は二泊分の荷物を持ち上げを見た。

「一人で大丈夫?」
「龍くんクッションがいるから大丈夫!」
「寂しかったらいつでも連絡してね。夜は撮影ないから」
「わかった。あ、うちの旅館も行くんだよね。社長と女将に宜しく」

にこりと微笑み、は龍之介のクッションを抱え微笑む。
あくまで両親とは言わないに小さく微笑み、龍之介は愛しの少女の頭をそっと撫でる。

「、愛してる」
「私も愛してる。気を付けて行ってきてね」
「うん。行ってきます」
「いってらっしゃ…ん…」

いざ見送ろうとすれば、壁に押し付けられ口付けられる。
割り開かれた唇から舌が入り込んでくる。
昨晩お預け状態だった二人であるが故に、やたらと長い間唇が重なっていた。

「龍くん…」
「俺も寂しい。と離れるの」
「龍くん…明後日の夜には会えるよ?頑張ろ?」
「うん」
「ちゃんと待ってるから。ね?私も寂しいけど、頑張る」

が頬を撫で、龍之介は頷いてもう一度口付けてからを抱きしめ擦り寄る。

「うん。行ってきます」
「行ってらっしゃい」

にこりと微笑み、玄関を出る龍之介を見送れば、もまた仕事の準備である。
大きな荷物はすでに万理に預けてある。
この時点で、いや明日までは、も後を追って京都に行くことがバレるわけにはいかないのだ。

「さて、朝ごはんの食器だけ片付けないとね」

今日の朝が早いからと、昨日のうちに洗濯ものなどは済ませてある。
後は食器を片付ければいつでも出かけられるだろう。

「お、万理さんももうすぐ着くみたいだね」

ラビチャが鳴り、通知ではもうすぐ着くとの万理からの連絡。
急ぎ目に出かける準備をし、エントランスへと降りれば丁度万理の車がやって来た。

「おはよう、」
「おはようございます、万理さん!」
「さ、乗って乗って。TRIGGERは東京駅着いたらしいよ」
「了解です」

番組のスタッフと姉鷺は、が旅番組の二日目に参加することは知っている。
駅は広いとはいえ、TRIGGERとが鉢合わせしないよう、綿密に連絡を取り合っている様だ。

/ 1123ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp