君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第70章 70
ハートのスタンプと共にラビチャを送り、再度ノートに向かう。
分からないところは相変わらず分からないままである。
後で龍之介や先生に聞こうと付箋を貼り、他の問題へ手を伸ばす。
そのまま集中していたのか、気づけば玄関の方で物音がし、龍之介が帰ってきたのだと立ち上がった。
「龍くん!おかえりなさーいっ!」
「お?!…ふ、ただいま」
?!
玄関が開くなり、入ってきた龍之介に抱き着いた。
つもりなのだが、聞こえてきたのは龍之介とは違う声。
抱き着いたその身体も龍之介より細身だ。
そしてその声にはかなり聞き覚えがある。
恐る恐る顔を上げれば、眩いばかりの美形がいた。
「ぎゃ。ぎゃああああ?!!!TRIGGERだ!八乙女楽だ!!!」
「ちょ、静かにしろって」
くすくす笑われ、口を押えられる。
何だ何なんだ何事だとパニックになっているの後ろから、今度は天使が顔を出した。
「、はしゃぎすぎ」
「九条天だ?!!TRIGGERがいる!!!」
「落ち着こうね」
苦笑交じりに人差し指を口元に当てられ、ほわんとしてしまえば、はようやく落ち着きを取り戻したのか、それともオーバーヒートしたのか、二人に道を開け、ほけ、とする。
本当に何なんだと惚けていれば、今度こそ愛しの姿。
「龍くん…!」
「、ただいま。待たせちゃってごめんね」
「龍くん!おかえりなさーいっ」
ハート乱舞である。
抱き着き、思いっきり息を吸い込めば龍之介の香り。
龍之介もまたを抱きしめ、頭に口付けた。
「でも、何で楽さんと天がいるの…?」
「ああ、混乱させてごめん。説明するね」
そんな龍之介に再度うっとりとしつつ、は龍之介と共にリビングに向かうのであった。