君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第69章 69
二人並んで和気藹々と餃子を作り、楽しそうに焼いて食べ、食後のお茶を龍之介が入れている間、は残った荷物の片づけである。
「いつも思ってたけど、改めて見ると3LDK広いねー」
「二部屋殆ど使ってないから、そっちの一部屋の部屋にしていいよ」
「でも寝るの龍くんの部屋だし…着替えにしか入らなさそう」
「でも一人になりたい時間もあると思うし、そういう時用にね」
微笑む龍之介にそれもそうかと頷き、は礼を言ってから、あけてはあるものの中身に触れられていない段ボールを持ち上げる。
「TRIGGERグッズの部屋にしよう」
「…うん、の部屋だから好きにしていいよ」
くすくす笑いながら頷く龍之介を背に、扉を開き段ボールを置く。
「ま、ゆっくり片していこうかな。でもこれだけ」
頷けば段ボールから一つだけ荷物を取り出し、リビングへ戻れば、カウンター越しに龍之介から声を掛けられる。
「、それ…」
「前のライブの時のダイカットクッション!全員分買ったの。龍くんのは二つ買った!」
にっこにこで龍之介のライブ衣装がプリントされ、模られたクッションを脇に抱える。
自らが抱えられていることは気恥ずかしいが、の嬉しそうな表情につい笑みを浮かべてしまう。
が、ひとつ気になった。
「そのグッズが出たライブって…付き合い始める前のだよね」
「うん」
「…なんで俺の二つ?」
「え?あ、何でだろ…クッション買ったのは事後通販だけど。その時もまだドラマも始まってないし…」
首を傾げながらは龍之介のクッションを見て、そしてにへ、と笑ってクッションを抱きしめる。
「この頃はただのファンだけど…龍くんのこと大好きだったんだねぇ、私…」
「」
「ん?」
「自分のクッションにやきもち妬きそう」
きゅう、と抱き締められているクッションを見て呟く龍之介にはきょとんとした後くすくす笑い、龍之介を見て頷く。
「じゃあ、こっちの龍くんにはソファで待っててもらって…」
クッションをソファに置き、はキッチンに入って後ろから龍之介の背中に抱き着く。
「龍くん」
「ん?」
「大好き」
「俺も大好き。さ、お茶入ったよ」
「わーい!」