君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第68章 68
「うん、ありがとう」
そのさりげなさに微笑み、は龍之介の腕に抱き着く様に擦り寄る。
「あ、荷物あらかた片づけてあるんだけど、一応チェックしてほしいな」
「ん、じゃあ今日必要なものはすぐ確認して、明日休みだから他のは明日見ておくよ。片づけてないのもあるよね」
「うん。さすがに下着とかは…」
「ありがとう。龍くんがデリカシーある人でよかった」
すでに何度も下着姿は見られているが、それと下着そのものを片付けられるのは何やら気恥ずかしさが違う。
その辺のの心の機微もわかってくれるのが龍之介である。
部屋の前に立てば、は龍之介を見上げる。
「ん?」
「…私、開けていい?」
初めての帰宅である。
これまで龍之介と共にこの部屋へ来たことは何度もあるが、今までは来客。
鍵を開けるのは家主である龍之介に任せてきた。
そんなの要望ににこりと微笑んで頷き、龍之介は出しかけた鍵をポケットにしまった。
カードキーをかざし、鍵が開いたと同時に龍之介はを横抱きに抱き上げ玄関の扉を開く。
「わ?!」
「アメリカで新婚さんは家に入る時にこうするんだって」
「新婚じゃ…ないけど、最高に嬉しい」
ぶつからないようにそっと室内に入り、扉が閉まればは龍之介に抱き着き口付ける。
「おかえり、」
「…ただいま、龍くん!おかえりなさい」
「はは、ただいま。これから、よろしくね」
「うん、こちらこそ。よろしくね、龍くん。ありがとう、愛してる」
「俺も愛してるよ」
玄関で抱き合い、龍之介はの頬を撫で口付ける。
「…寝室行く?」
「ふふ、まずは晩ご飯。龍くん明日お昼からでしょ?」
そんなの言葉の裏を読み取り、龍之介は小さく笑っての頭を撫でた。
「じゃあもう少し我慢する。だけど、もう少し」
「ん…んぁ…」
小さく呟き、の唇を撫でてから自らの唇を重ねる。
薄い唇をそっと舐め、唇が弱いが小さな反応を見せればそのまま口付けを深めた。
「あ…」
「可愛い…このまま食べちゃいたいけど、ご飯にしようか」
「うん」
ぽわんとしたに思わず襲い掛かりたくなるが、ぐっと我慢し、龍之介は室内へとを促すのであった。