君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第65章 65
「十さん…ということは、この間十さんがちゃんに抱き着いたのは…」
「そういうこと、です」
察しのいい紡にこくりと頷けば、紡はなんだぁ…とほっとしたように笑う。
「まさか十さんがセクハラなんてするはずないと思ってはいたんですが、ちゃんは可愛いから心配していたんです。お付き合いされているのなら、抱き着いてしまったのも仕方ない事ですよね。安心しました」
「いや、油断してたとはいえ、人目につくとこで抱き着くのは良くないんだけど」
そんなツッコミを入れながらも素直に喜んでくれる紡に、も嬉しそうに笑い礼を言う。
「というわけで、IDOLiSH7とIDOLiSH7のファン、関係者に迷惑をかける前に出た方がいいのでは、と…」
「なるほど。しかし…」
の引っ越しの動機を聞き、頷きながらも難色を示す小鳥遊。
そこへ、扉のノックの音。
小鳥遊が答えれば、スタッフが緊張感たっぷりの顔を覗かせた。
「あ、あの…お客様…なんですが…」
「うん、どなたかな?」
「と、TRIGGERの十龍之介さんがいらっしゃってます…!」
スタッフの言葉に全員が顔を見合わせる。
「、約束してた?」
「いえ!約束は夜です!今じゃないです!」
「そうか…あ!やばい!!そっちの資料隠して!」
「はい!」
「紡くん!そこのモニター消して!」
「はい!」
てんやわんやと隠すべき資料を隠し、全員で隠し漏れがないかチェック。
そんな一同にスタッフは苦笑しながら資料を隠す一同を手伝う。
「OKかな」
「大丈夫、だと思います」
「あんまりお待たせするのもね。よし、お通しして」
「はい」
小鳥遊の言葉にスタッフは頷き、龍之介を呼びに受付へと戻っていくのであった。