君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第64章 64
「いってきまーす」
「行ってきます」
「まーす」
「お邪魔しました」
支度を整え、、一織、環、龍之介は玄関でご挨拶。
皆で玄関を出たらば、フラッシュの嵐。
よくよく考えたら何で龍之介を堂々と外に出したのかと今更一織は後悔である。
「え?十龍之介…」
「やべ、私一旦戻る」
記者が龍之介を見つけた瞬間、更にフラッシュの焚かれる光が激しくなった。
幸い背の高い龍之介と環のおかげで、の姿は見つかっていないらしく、開いたままの玄関にそのままするりと入り込んだ。
「十さん!何故小鳥遊事務所の寮にいらっしゃるんですか?」
「さんとの交際報道は事実という事でしょうか?」
「昨日は大和くんと飲んでたんですよ。ちゃんもいましたけど」
「そのまま宿泊という事ですか?」
「さんとどのようなお話をされたんでしょうか?」
「学校遅刻しそうだから通してほしーんだけど」
環の言葉に記者がそちらを見れば、そのままマイクを向ける。
「四葉さん、十さんとさんは昨夜どのようなお話をされていましたか?」
「あ?楽しそうにライブの話とかしてたっけ?」
「そうだね」
「わぁ、凄い人。朝からお疲れ様です。環、一織、時間超ギリギリ!」
「マジ?いおりん、急ごうぜ!」
「そうですね、貴重な登校日に遅刻したくないですし」
改めてが玄関から出てくれば、カメラと記者のマイクが一気にそちらに向かう。
「十さん、またご飯食べましょうね」
「うん、またね、」
環と一織と共に報道陣を割っていき、は龍之介に手を振る。
そんな二人の様子をバシバシとカメラに収めれば、多少満足したのか人をかき分けやすくなった。
龍之介も離れて停めた車の方までは記者も追いかけてこなかったようで、そのまま自宅の方へと行けそうだ。
「ふぃー、ごめんね、一織、環」
「べっつに、っちのせいじゃねぇだろ」
「とはいえ、毎朝これでは参りますね」
「ねー。引っ越しも手かもなぁ…」
「え、引っ越すの?っち」
「一応一人暮らしするための資金は溜めてるんだよ。後は社長の許可がどうなるかだけど」
のその言葉に環は寂しげな表情。
そんな環には背伸びして環の頭を撫でた。