君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第63章 63
翌朝、は龍之介より早く目を覚ました。
静かに服を着て、そっと部屋を出る。
顔を洗って身支度を整えてからキッチンへ。
「三月くん、おはよー」
「お、。おっはよ!」
「朝ごはん手伝うよ」
そこには既に朝食の準備を始めていた三月の姿。
「十さんは?」
「昨日お酒入ってたからまだ寝てるよ。三月くんも飲んだのに早かったね」
「昨日は結構よく寝れたんだよな。今日和食で良いか?」
「うん。あ、お味噌汁やるよ」
「頼んだ」
手を洗い、冷蔵庫からみそや具材を取り出して調理開始である。
出汁は三月が手の空いてるときに自ら取ってくれた特製の出汁を使う。
「は、ふ…眠い…」
「寝不足か?」
「今日学校だから、少しでも多く課題だしとこうと思って…頑張った」
「すげぇじゃん」
「久しぶりに学校行けるし、先生に登校するたびに出すって約束しちゃった手前、全く出さないわけにいかないもんね」
それでも既に何割か終わらせているのだが、手元の数を減らしたいのも事実である。
「おはようございます」
「お、一織。おはよ!」
「おはようございます、兄さん。さん」
「おっはよー!」
にこやかにあいさつを交わし、はテキパキと朝食の準備を進める三月を手伝う。
続々とメンバーたちも起きてきた。
今いないのは大和と龍之介だけだ。
「、もうこっち終わるから、十さん起こして来いよ」
「そだね、私たちと一緒に出るって言ってたし…起こしてくる」
こくりと頷き、廊下へ出る扉を開けようとした瞬間、かちゃりと扉が開いた。
「…!」
「おはよ、龍くん。タイミング良かったね」
扉の先には龍之介の姿。
微笑みながらが見上げれば、ほっとしたような笑みを返された。
「どしたの」
「起きたらいなかったから、つい心配になっちゃって」
「大丈夫。どこにもいかないよ」
くすくす笑いながら、は龍之介を見上げ頷く。
「ほら、もうすぐ朝ごはん出来るし、顔洗っといで。タオル出すね」
「ありがとう、借りるね」
「ちょっと行ってきまーす」
龍之介の手を引きダイニングを出ればはそのまま洗面所へ向かう。
棚からタオルを取り出せば、龍之介に差し出した。