君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第60章 60
「報道に対して、肯定も否定もしない。だけど、お互い思い合ってるんじゃないの?と世間に思わせる」
「いざ交際報道が出た時にアンチやヘイトを出しにくくする方向へもっていくんですね」
「そう。さすが一織」
頷くに、一織はなるほどと頷く。
「私たちは特に、何も言わずともいいという事ですね」
「うん。対応は事務所を通して、で一貫するから、みんなは知らぬ存ぜぬで大丈夫」
「分りました。共演した時もその話は出しません。わかりましたか?七瀬さん」
「何でおれだけ名指しなの?!分かってるよ!」
ぷん、と頬を膨らませる陸に、は小さく笑いながら龍之介を見上げる。
「龍くん」
「ん?」
「良かったね。みんなに話せて。お疲れ様」
「そうだね。も疲れたでしょ?お疲れ様」
「ん」
そっと頭を撫でられは嬉しそうに微笑み龍之介にすり寄る。
何とも羨ましそうな視線が刺さり、龍之介は苦笑。
「あ、十さん!の部屋知ってます?TRIGGERグッズ凄いんですよ!」
「陸!言わなくていいから!」
「グッズで溢れてるっていうのはこの間小鳥遊さんに聞いたけど…みんなも言うほどすごいの?」
「「「すごい(です)」」」
全員頷くほどのすごさらしい。
そんな事を言われてしまったら気になってしまうではないか。
「…」
「う…わかったよぅ…」
名前呼ばれただけでなんで分かるのさ?
と心中で皆が突っ込む中、は立ち上がり龍之介に手を差し出す。
「恥ずかしいんだけどなー。でも龍くんの部屋見てるのに見せないのはフェアじゃないもんね」
そんなの手を取り繋ぎながら、龍之介は小さく笑う。
「そんなこと気にしなくていいのに。でも、の部屋は見てみたい」
「そんな顔されたら聞かない訳にいかないんだな。あ、二分待って。台本とか片づけてくる!」
まだ情報を見せられないものもあった気がする、と思い出したは、リビング出て左の一番奥だよーと部屋の位置を伝えてから先にリビングを出ていく。
「…可愛い。可愛すぎる…」
そんなをべた惚れ発言で見送り、律儀に二分待ってから部屋へ向かう龍之介であった。