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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第58章 58




「だけど、普段寝不足っぽいんで、寝れる時間寝かせておきたくて…」

龍之介の言葉になるほどと頷き、万理はくすくす笑い出す。

「十くんの傍に置いておけば、のヘルス面は万全かもね」
「メンタル面で言えば龍もちゃんの傍だとより調子いいみたいなのよね」

車を発進させながら呟く姉鷺に、は龍之介を見上げる。
龍之介の車を待ちわびていた記者だが、姉鷺が運転していたために気付かれにくかったらしい。
集まっている記者の固まりを抜ければ、龍之介はの頭を引き寄せ自らの肩によりかからせる。

「寝ていいよ」
「龍くんの傍に居るのに寝るの勿体ない」
「うーん、そういわれると…」

くすくす笑いながらの頭を撫で、手を繋ぐ。
外で一緒に歩くことがないから、室内でしか手を繋げない事のもどかしさを少々感じていたりもするが、こうして手を繋いでいられる幸せを噛み締める。

「離したくないな…」
「ふふ、私も離れたくないよ」

繋いだ手を見て呟く龍之介に、も頷く。
そんな二人を見て、万理は何かを考え、スケジュール帳を開く。

「…大丈夫そうかな」
「あのこと?」
「そうです。余裕取れるスケジュールにはなってるかな、と思って」
「そう、良かった」

小さく頷き、万理はそっと後ろの様子を窺う。
龍之介は相変わらずを愛しそうに見つめているし、は龍之介の肩に頭を乗せ、いつの間にか眠っていた。

「、あんまり移動で寝ないのにね」
「そうなんですか?」
「うん。緊張するのかな。十くんの傍で安心してるんだろうけど…俺もあんまり寝顔見たことない」

そんな万理の言葉にを見れば、いつも通りの愛くるしい寝顔。
それを見る機会は自分が一番多いのかと思うと、にまつく顔を隠しきれない龍之介である。

「あんた、今から社長に会うのにそのニヤニヤやめなさいよ」
「はいっ」

姉鷺のそんな突っ込みに小さく返事し、龍之介は再度すやすやと眠る愛らしいに視線を向けるのであった。

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