君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第58章 58
「さん、鳳さんと十さん、どちらが本命なのでしょうか?」
「お二人ともドラマでの共演ですが、きっかけというものはどういったものだったんでしょうか?」
「十さんと度々仲睦まじい姿がありますが、やはり十さんが本命でしょうか?」
「十さん、さんとの数々の共演で心動くことは無かったのでしょうか?」
撮影場所から一歩踏み出すなり、行く手を阻む記者たち。
そんな様子に苦笑しながら、は龍之介を見上げ頷く。
「お応えできることはありません。事務所通してください」
「八乙女さん!九条さん!お二人から見て、さんと十さんはどういった関係に見えますか?」
「仲は良いですけどね」
「どのように仲が良いんでしょうか?」
楽や天にまで記者の質問が飛び、龍之介が仕方なしに立ち止まればも立ち止まり、そんな二人を記者が一気に囲い込んだ。
「俺たちは共演は多いですけど、は妹みたいなものなので、皆さんが思うような関係ではないです」
「十さんのおっしゃる通りです。共演した作品では恋人同士などが多いですが、それ以外では兄妹のように接してくださっています」
「じゃなきゃもっとよそよそしくてこんな風に一緒に歩かないですよ」
「そういう事です」
うんうんと頷き、これ以上は事務所を通してくれと再度お願いし、駐車場のゲートへと入る。
「まだ追ってくるね」
「せっかく龍くんと一緒に居られる時間なのにっ」
ぷんっ!と頬を膨らませるにくすくす笑いながら記者から逃げるようにロケバスに乗り込む。
「もーー、ほんっと巻き込んですみませんっ!」
「も完全な濡れ衣…というかとばっちりでしょ?気にしなくていいよ」
「ちゃん、この後予定ないわよね?向こうで解散したらそのまま八乙女事務所行くわよ」
「へ?」
「社長に二人の事話すの」
姉鷺の言葉に、は驚き、横に立つ龍之介も、万理も、更には天と楽も驚いていた。
「反対されませんか?」
「そこは分からない」
「妨害されませんか?!私芸能界から干されませんか?!」
「うちの社長なんだと思ってんのよあんた」