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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第55章 55




「まず、今ある仕事がCM二本と、単発のドラマが一本。主役ではないけど、主人公の娘役で連ドラがある。こっちは出番も多くはないけど、重要な役どころだから緊張感を持ってね。後はこまごまと番宣やインタビューが入ってる。雑誌の撮影もあるね」
「はい」

相変わらず割と過密スケジュールである。

「ところで、学校の方の課題はどう?」
「うっ…」
「…やってる?」
「やって、る…んですけど…」

万理の追及の目が痛い。
実際にやれるときはやれるだけやってはいる。
あの膨大な量は早々にやっつけなけれならないと思っているし、を卒業させるために担任が最大限譲歩してくれたのがこの課題だと思っているから。
しかし、それにしても量が多すぎてやっても終わりが見えないことから、ここ数日はさぼり気味であった。

「分らないとこある?」
「そこは壮五さんや大和さんに教えてもらってるので、クリアできてるんですけど、モチベーションがなかなか。セリフ覚えるのに集中しすぎて勉強に身が入らなかったりしちゃって…」

の言葉になるほどと頷き、万理はどうしたものかと首を傾げる。
やはり、圧倒的に休みが少ないのだ。
夜はまだ深くまで活動できない年齢だが、仕事をしていないだけで仕事に挑むための準備に費やされてしまう。
龍之介と仕事以外で会えるのだって、週に一回程度。
翌日が仕事ならば数時間である。
その間にも課題をこなしていると、この間龍之介から聞いたので、やることはしっかりとやっているらしい。

「休み増やせるように調整しようか」
「え、むしろもうちょっと働いても良いって思ってますけど」
「日常に支障出るようじゃだめだよ。夜寝れてる?食事は?」
「そこを言われると何とも…」
「ほら。それを考えると、連休を取るのは良いことかもしれないね」
「そうですかね…」
「うん、出ずっぱりだと名前と顔は覚えてもらえるけど安く見られることになるかもしれないし」

万理の言葉にそれもそうかと頷く。
余り出過ぎるとしつこさが出てくるかもしれないだろうし、多少人の目に触れない期間があってもいいかもしれない。

「まぁ、インタビューとかそういうのも入ってくるし、完全な休みではないけど、大きな仕事や新しい仕事の前は少し休んだ方がいいしね」

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