• テキストサイズ

君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第54章 54




「龍!あんたさっきからもー!!」
「すみませんっ!」
「全く…構いたくなる気持ちはわかるけど。こっちはヒヤヒヤものよ」
「姉鷺…お前もか」
「姉鷺さんまで丸め込むなんて…すごいね」
「天がそこまで気に入ってる時点で大分すごいのよ、あの子は」

ぷりぷりと言っているが、大層気に入っていることは普段の対応からわかる。
そんな姉鷺に笑っていれば、そういえばと姉鷺が三人を見る。

「あんたたち、来月京都で旅番組よ」
「え?そんな予定ありました?」
「前からオファーは来てたのよ。向こうもそろそろお願いしますーってめげずに来たから受けたの」
「京都…」

まさか、とは姉鷺の後に乗り込んだ万理を見る。
龍之介も続いて万理を見れば、万理は苦笑交じりに首を横に振った。

「いやいや、の京都行の日程は別日だよ」
「あ、そうなんですね」
「さすがにそこまでは合わせられなかった」
「そうか、お前京都出身だったな」
「はい。ちょっと里帰りしとかないと実家がうるさいので…」

呟くの表情はあまり明るくはない。
せっかくの愛らしい姿に似つかわしくないその表情を和らげようと、龍之介はそっとの頭を撫でる。

「やっぱり俺も一緒に行こうか?」
「ううん。万が一写真撮られたら大変なことになっちゃうもん。大丈夫。あ、でも電話はする」
「…ん、わかった」

寂しがり屋なのは変わらない。
そんなの頭に口付け、そっと微笑む。

「だから!スキンシップ控えめ!」
「すみませんっ!」
「大神くん!ちゃんの横!!」
「はい!!」
「そ、そんな…」
「龍、自業自得だよ」
「うぅ…はい」

姉鷺の指示により、龍之介は泣く泣くの隣から立ち上がり万理と入れ替わる。

「ごめんね、十くん」
「いえ、がこれだけ気遣ってくれる中、怪しまれるのもよくないですし」
「うん、ありがとう。じゃあ、今のうち今後の打ち合わせしておこうか」

の隣に座り、万理はスケジュール帳とタブレットを取り出す。
もまたスケジュール帳を開いたのを見れば、いざ、お仕事の話開始である。

/ 1123ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp