君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第54章 54
「おっけーでーす!」
龍之介とのシーンは無事終わり、モニターチェック。
「あらー、私幸せそう」
「龍の隣だしね」
「だろうな」
「楽の哀愁漂う背中もいいね」
モニターの中のは龍之介を見上げ、何とも幸せそうである。
この笑顔をもう一度撮れるかと言われれば、相手が龍之介である以上いくらでも撮れるのだが、撮り直しは必要ないだろうという事で、着替えてから移動を兼ねての休憩をとることに。
「しかし、鳳さんの相手誰だろ」
「誰というより、背格好に似た人を選んでるってことが俺は怖いよ」
龍之介の言葉に、確かに、と天と楽は頷く。
たまたまがタイプだったから、ドラマの撮影中も何度もを誘い、アプローチをかけていたのなら今回に背格好が似た子と撮られたのも納得できる。
だが、に執着するがあまりの選択ならば、は警戒をしていかないといけなくなるだろう。
「まぁ、大体傍に龍がいるんだろうけど、気を付けるんだよ」
「うん、ありがとう、天」
にこりと微笑み、は立ち上がる。
そろそろ着替えの時間である。
「次は船乗るんだよね!船!楽しみー!」
「、船は乗るけど、動かないよ」
「え?」
「夜のクルーザーは危ないし、の活動時間に引っかかっちゃうから、港で動かさず撮影だよ」
「……………資料ちゃんと見てなかった…動く船…乗りたかった…」
あからさまにしょんぼりし始めるに、TRIGGER三人そろってキュンである。
可愛い。しょぼくれ方が半端なく可愛い。
「、今度デートで船乗せてあげるから」
「デート…船…動く?」
「うん、動く船」
「龍くん…愛してるっ」
「俺も愛してる。ほら、着替えておいで」
「はーいっ」
にこりと嬉しそうに微笑み、はスタイリストの元へと向かう。
「帰りも記者に囲まれるんだろうなぁ…」
「次は龍も囲まれるんじゃないの?」
「明日は鳳とお前とで三角関係!って騒がれるんじゃねぇの?」
天と楽の言葉に龍之介は苦笑する。
「そうかも。はぁ…ますます会いづらくなるよ」
「とか言いながら会うんだろ」
「…うん、会えないの俺が耐えられない」
「私もー」