君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第52章 52
「…でもいいのか」
「ん?」
「このスキャンダルの陰に隠れて、龍くんと目いっぱいいちゃつける」
「…これで俺との写真も撮られたら二股女優ってなっちゃわない?」
「それもそっか。ダメか」
くすくす笑いながら寝巻を脱げば、は龍之介を見上げ、抱き着く。
「…そんな可愛い恰好で抱き着いたらダーメ」
「はぁい。龍くんがすぐに私じゃないって気づいてくれて嬉しかった」
「ならすぐに見つけられる自信あるよ、俺」
「私も。愛してる」
「俺も愛してる」
の頬を撫で、そっと口付ける。
ちゅ、と唇を吸われが唇を開けば、そのまま舌が割り込んでくる。
「ん…龍く…したくなっちゃった…」
「俺も。でも大神さん来るんでしょ?」
「…約二十分…最短記録目指す?」
「が可愛すぎるから記録は余裕で出せるかもしれないけど、その分何回もしたくなるから我慢」
「確かに。始めから我慢しといた方がいっか」
「そういうこと。さ、着替えよ」
着替えを促され、二人でいそいそと着替えてから準備をしていればインターフォンの音。
龍之介が対応すれば万理が迎えにやってきていた。
「大神さん、そのまま中のエントランス付けてください。、そこまで送りますから」
『十くんは来ない方がいいかもしれない。マンション前も記者結構いるよ』
「…わかりました。姿見られない場所までは送ります」
『うん、ありがとう』
応対を終えれば龍之介は準備万端のを見て、自らも最終準備を終える。
そのままエントランス近くまでを見送るため、共に階下に降りた。
これから一旦離れるが、すぐにロケ現場で再会だ。
「じゃあ、また後で」
「うん!ありがとう、また後でね」
微笑むの頭を撫で、龍之介は送り出す。
辺りを見回しながら歩きだすが無事に車に乗り込んだのを陰から見守ってから、龍之介もまた自身の駐車場へと向かうのであった。